表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公VSえっちしないと出られない部屋(with幼馴染)  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/47

第七部屋 何もない一日、からの……④


 え? なんのこと? どういうこと? これから俺の身に何が起こるというの?


 朱里とは別に教室に入ってからというもの、朱里の発言の意味がわからなくて気にかかってしまう。いや、意味が分からないわけではないんだけれど、あの発言の意図を理解できなかったし、その話の前後をろくに聞いていなかったから、どうしてそのような結論、というか持ち物? を忘れないでくれ、という会話に繋がったのか、一切わかりはしない。


 いつもだったら教室に入ってからは、クラスメイトの舌打ちが聞こえて戦々恐々とするところではあるけれど、ぶっちゃけそれに怯える余裕もない。俺は「……ぉはっすー」とめちゃくちゃ小声で全体に挨拶をしながら廊下側後方の自分の席に座っていく。


 え、なに、パジャマ? パジャマって言った? 言ってたよね? あとなんだっけ? 歯磨き、歯磨きって言ったよな? 忘れずにねってめちゃくちゃ元気よく言ってたよな。


 なんだろ、そのままの意味で受け取っていいの? 本当は何かしらの隠語だったりしない?


 そのままの意味で受け取れば、そりゃあ一緒に同棲することになるのかな、って──違う違う。そりゃあ俺の願望ではあるけれど、パジャマと歯磨きだけで同棲ができるわけないだろ。なんなら同棲するのであれば朱里にこそ忘れ物がないように服を持ってきてもらってだな──じゃなくって。


 ええと、こちらに対して忘れ物をしないように声をかけてきたということは、つまりは俺が赴くわけで。


 え、どこに? ……パジャマと歯磨きと言えば、まあ寝食するってことにつながると思うから、つまりは朱里のお家……?


 つまり、素直に受け止めるのであれば、朱里のお家にお泊まり、ってコト?! そういうこと!? そういうことになりますよねぇ!?


 なんで?! どうして!? どういう会話の流れからそんな話になったの?! 俺ぶっちゃけ今日の朱里との会話、彼女がチューを俺に懇願してきてくれたことしか覚えてないけど!?


 ……はは、いや待て。ここで素直にお泊まりという概念を受け止めてしまえば、のちのショックが大きくなるかもしれない。


 朱里のことだ、三日坊主と言えるその精神性はまた何かしらの漫画の影響を受けてきたのかもしれない。というかそうだ、今日『えっちしないと出れない部屋』がなかったのも、単純に三日坊主故の“飽きた”というのが来たからなのかもしれない。




 ……何飽きてんだよ。それだけは3650日坊主でいてくれよ。頼むよ、十年くらいは擦ってくれてもいいんだよ。




 ……いや、とりあえずそんなことは置いといて、朱里が何かしらの漫画の影響を受けて、いきなりそんなことを言い出した、という可能性については拭えない。もしかしたら反社会的勢力が登場する漫画なんかを見て、隠語を使いたくなった時期に入ったのかもしれない。なんだっけ、ほら、スペードとか、ダイヤ、……とか? わかんない、そういう漫画、興味ないから見てないんだよな。


 そういう隠語ベースでいったん考えてみよう。まず、パジャマ、パジャマの隠語としては──。


 ──(やっ)ぱ(お前)邪魔……?!


 そうだ、そうに違いない。ヤ〇ザが出てくる漫画にきっと影響を受けているんだから、あの純粋で優しい無垢で可愛い朱里からそんな邪悪な言葉が出てくるのかもしれない。やばい、ありそうな気がしてきた。


 じゃ、じゃあ歯磨きはなんだ? 歯磨きの隠語は──。


 ──は?(お前)み(たいなやつ)ガキ(でしかねぇから)、とか……!?


 え、怖い。怖いよ朱里。お前、意味もわからずに罵詈雑言を俺に浴びせるつもりなんだろ、そうなんだろう、そうに決まっている。


 どうしよ、本当にそういう意味で朱里が俺に言葉を吐いてきたら。


『やった! じゃあ今日一緒に帰ろうね! あ、パジャマとか忘れないでね! 歯磨きも!』


 こんなお泊まりのお誘い後としか思えない会話でも、この前提を踏まえた上であれば──。


『土にお前を還してやるよ、私が埋めてやるからよぉ。お前やっぱ邪魔なんだよ、忘れんじゃねぇぞ? は? お前みたいなやつガキでしかねぇから』


 ──こういう意味になる、ってこと!?


 やばい、俺朱里になんかしたかな。昨日の二の腕ぷにぷに事件──いや事故が朱里にストレスを与えちゃったのかな。そうだよな、あまりにも執拗に触り過ぎたよな。だって好きなんだもんしょうがないじゃないか男子高校生の性欲が二の腕で満足しているだけでありがたいと思えよ──じゃなくって、それで朱里怒って、俺に隠語で罵詈雑言をぶつけるようなことになっちゃったのかな……。


 これ、あとで謝んなきゃな。そうしないと確実に俺は生き埋めにされるもんな。たとえあれが事故からのものであっても、過失性があったとしても、悪は悪として自覚を持つべきなのかもしれないし。


 


(ま、それは後でにして、とりあえずホームルームまでチューを懇願してくる朱里の写真でも見てほのぼのするか!)


 


 俺は気分を持ち直して携帯を取り出す。嫌なことは一旦忘れてしまった方がいいからね! 仕方ないね!







「あいつ、また携帯見てニヤニヤしてるよ……」とホームルームまでクラスメイトに囁かれる彰人くんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ