表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公VSえっちしないと出られない部屋(with幼馴染)  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/47

第七部屋 何もない一日、からの……①


 ──目が覚めたら、そこはえっちしないと出れない部屋でし……、……ん? 


 起きてから最初に覚えたのは違和感だった。


 携帯電話に設定しているアラームが鳴り、寝ぼけながら瞼をこすってみる。そうすればいつも通り天井には例の文言が貼り付けられている──はずなのだが、あれ、おかしいな。今日に限ってはあの文言が貼り付けられていない。


 おかしいな? 夢? ああ、これ夢だわ。うん。


 だって、おかしいもん。いつもだったらあの文言が天井に貼り付けられていて、すぐさま目に入ってくるはずなのに、それでも天井には何も貼り付けられていないもの。


 うん、これはおかしい。変だ。だから夢ですね。はい。


 今日は朱里がどんな甘え方をしてくるのかなぁ、俺はその甘え方に理性を保つことができるのかなぁ。不安だなぁ。不安だけれど仕方がない。ここ最近はあれだもんね、朱里、えっちしないと出れない部屋にハマってるもんね。流石にそろそろ理性の崩壊が秒読みだから、これ以上やられると困っちまう部分はあるけれど、まあしょうがないよね。俺だけの幼馴染だもんね。かまってやらないとね。


 さてさて、二度寝二度寝。


 俺はそうしてまだ鳴り続けているアラームを一度止めてから、ゆっくりとベッドに横になる。……うん、気持ちのいい朝の二度寝は最高ですからね。夢の中で眠るっていうのも変な話ではあるけれど、はは、まあいっか。とりあえず寝ようかな──。




 ──あれ、これ夢じゃなくね?




 アラームを止めたところで、本当に寝ぼけていた意識を叩き起こして、俺は再度瞼をぱっちりと開けてみる。


「……」


 やはり何度天井を見てみても、いつもであれば貼られているあの文言はどこにもない。いや、確かに昨日片づけましたけどね。藍里ちゃんが来る前あたりにちゃんと片付けましたよ。だから、そこにないのはわかる、わかるんですけど。




 ──なんでないの!?




 え、あって然るべきでしょ。どういうことですかこれは。


 なんだかんだえっちだえっちしないだありますけれど、それでも朱里に構う時間って楽しいから、ここ最近の楽しみとして数えていたんですけど。え、どういうことですかこれは。夢じゃないんですか。


 確かに、確かに理性の限界は迎えてましたよ。昨日くらい、マジでやばかったもん。あともう少しで朱里の身ぐるみを剥ぐ剥ぐしちゃうくらいには理性がぶっとびかけてましたからね。


 でも、でもさぁ! なんでこんな唐突なんですか! 聞いてない! 聞いてないよ俺!


「……」


 やべぇ、起きたくねぇ。なんだろう、せっかく朝から溌溂とする習慣を身に着けた感覚になっていたのに、いざそれがないという事実に直面すると、どうしてもやる気が出ない。もういいかな、今日学校休んでもいいんじゃないかな。なんか気怠いし、熱っぽいような気がするわ。うん。その熱っぽさも確実に窓から差し込んでくる日射だということは理解していても、それでも風邪だという言い訳を心の中で組んでいきたい。それくらいやる気が出ない。


 ……なんだかんだ、毎朝俺の部屋に来てくれる朱里、可愛かったしなぁ。


 そんなことをぼんやり思いながら、俺は背中を起こしてみる。ドアの方を見ても、やはりあの文言は貼り付けられていない。そうかいそうかい。ないならないでいいですけどね。べ、別に気にしてないんだから!


 ……流石にこれで学校を休んだら、お母さんからみっちりお叱りの電話が来そうだから、ちゃんと行こ。やる気は出ないけれど、とりあえず学校には行かなきゃね。


 俺はそんな気怠い感覚を覚えながら、そうして早速学校に行く準備を始めた──。


「──あきとぉ! もう朝だよぉ!!」


 そんな頃合いで聞こえてくる朱里の声。遠くから叫んでいるような声は、俺の部屋の下、つまりは階下の廊下から聞こえてきているようだった。


 お、お? まさかこれ、ワンチャンスあったりします? ここからえっちしないと出れない部屋、スタートしちゃう感じですか──、いや、普通に起こしに来てる時点であれだな。以前と同じように、普通に朝ご飯を作ってくれているパターンだなこれ。


「……はいはい、今行きますよー」


 期待は粉々に砕けて、俺は気だるさを纏う声を静かに吐き出す。階下には聞こえないかも、と一瞬だけ不安というか、面倒くさい気持ちが生まれたけれど、直後に「わかったぁ!」という返事が来たから大丈夫っぽい。


 とりあえず、何はともあれ朝の支度ですね。ご飯食べたり、顔洗ったり、荷物の準備であったり。


 朱里にはいろいろ言いたいことはあるけれど、兎にも角にもまずは学校に行かなければいけないよね。はい。諦めます。えっちについては諦めますとも。




 ……でも、やっぱり俺、納得いかねぇよぉ……。あの朝のひと時ぃ……。


 


 昨日まではだいぶと面倒くさく感じていたことだけれど、それはそれとして失われてから気づくものもあるんだなぁ、と俺は改めて思い知った。



 かけがえのないものって、失われてから気づくこと、ありますよね。

 それもこれもぜんぶ彰人くんが悪いよ()

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おいおい、アカリさんが三日坊主だと言っていたのは君だろぉ、アキト君…。 まさか、「えっちしないと出られない部屋、に閉じ込められないと満足できない体」になるとはな…。君もやはりアホの子の同類だった訳だ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ