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05 騒動に騒動

「助ける?」


驚きすぎて逆に聞き返してしまった。


「はい!!」


今にも体が触れ合いそうな距離まで近づいてくる。


「ちょっと待って……」


それを俺は手で制止し、アリスと沙亜耶の方へ疑問を持ち掛ける。


「なぁ、今まででこんな事ってあった?」


「いや、聞いたことがないな」


「ちょっとわからないですぅ」


この世界でも珍しいことなのか。国が魔物に侵略されるなんて。


「じゃあ、どうする?」


「どうするも、まずはトラス国に行って見んとわからんな」


「ですね」


アリスの意見に沙亜耶も賛成する。


「じゃあ、一回帰ってから行くか。じゃな」


帰ろうとする俺の袖を引っ張る奴が一名。


「何だ? 明日また来るって……」


と言おうとしたのだが、言葉が詰まる。


「付いて行くのは駄目ですか?」


上目遣いに涙目は反則だと思う。俺にロリ属性は無いのに!!








「ありがとうございます!!」


結局付いて来た女の子(リリスと言うらしい)は沙亜耶の部屋に一日泊まる事になった。


「まったく……イクトが妹好きだったとは……」



アリスが溜め息混じりに言った。


「違う。しかも何で妹好きとかマニアックな言い方で責める?」


「マニアックって、それ以外にどんな言い方があるんだ?」


翻訳魔法のせいかただこの世界では普及していないだけなのか。


「ロリコンって言うんだよ。そういうのは」


「ロリ……コン? それはどういう意味なんだ?」


「チビっこい子とか妹とかを見て喜ぶ奴の総称だ」


かなり大雑把に言った。


「そうなのか。ではイクトはロリコンなのだな?」


「違げぇよ!!」


つい怒鳴ってしまった。


「どっちなのだお前は……」


とアリスは考え混んでしまった。


「んじゃ明日は早いから俺は帰るぞ」


「うむ。ではな」


軽く手を振り俺達は別れる。


……っと。


危うく角で人にぶつかりそうになる。


「おい」


ぶつかりそうになった男が俺の胸倉を掴んでくる。


いきなり何だよ!


「お前新入りのくせに王女様と馴れ馴れしく喋んなよ」


男が唾を飛ばしながら俺に喋る。


何こいつ。ムカつく奴だな。


「別に。喋りたくて喋ってるわけじゃないし」


「あぁ!? 何だよその口は? 俺を誰だと思ってる!?」


「……そこらのザコキャラ」


ムカついていた俺はついつい挑発してしまう。いつもならスルーするのに。


「てめ!? 俺は騎士ランクAAA《トリプルA》だぞ!!」



何それ。偉いの?


「じゃあ俺SSS《トリプルS》」


SSSって何だよとか自分で突っ込みながら言う。


「お前みてぇな奴がSSSになれるかよ!!」


あるんだ。SSS。


「それは嘘。だけど、お前よりは強い自信はある」


「は!! お前何かに俺が負けるわけねぇ!!!」


やけに自信満々だな。相手も。


「じゃ、試してみる?」


「いいだろう!! 力の差を見せつけてやる!!」


俺達は城の真ん中。かなり大きな庭に出て、審判(というより王様と王女様)を連れてきて、試合をする事になった。


「勝てるのか? あいつに?」


さりげにアリスが聞いてくる。


「心配してんのか? ダイジョーブだって、余裕余裕」


「っ心配なんて!! うぅ……」


顔を真っ赤にしてうずくまってしまった。


マジで心配してんのかよ。冗談なのに。




「では!! 試合開始!!」


王様のかけ声とともに、男が大剣を掲げる。


ちょっと遊んでやるか。


ファイア!!!」


男が詠唱すると、大剣に炎が灯る。


「うぉぉぉぉ!!」


突進してくる。


リリースフォー――version1」


ジャララララララ……――


百を超える鎖が男の大剣に絡まる。


「ぐうぅぅ!!」


男は唸りを上げ、炎の温度を上げた。


ジュウウゥゥゥ!!


どんどん鎖が赤くなり、溶けてきた。


どんだけ熱いんだよ!?


鎖や炎は使用者の能力値によって硬度が上がったり、温度が上がったりするので、今のは俺の鎖に込めた魔力が男の魔力に負けたという事た。


流石に自慢するだけある実力だとは思うが。それはversion1の話だ。


リリースフォー――version5」


少しversionを上げる。


数千本の鎖が現れる。


もう一度大剣に絡ませ、さらに余った数百本の鎖で男の四肢を縛る。


「何!?」


男は必死に抜け出そうとするが、焦り過ぎて大剣まで落としてしまう。


「へぇ。こんな実力で俺に勝てると思ってたんだ?」


嫌みっぽく言う。


「黙れ!! お前みたいな無名の騎士に負けるか!!」


バキィ!!


片方の腕が炎に包まれ、鎖を引きちぎる。

(うぉ!! これを外せるなら、こいつさっきの魔物も倒せたんじゃね?)


ちょっと焦る、がまだまだ余裕の範囲内だ。


と、男が鎖を全部引きちぎり、四肢に炎を宿して言った。


「これが俺の本気だ。怖いとか言うなよ?」


ギリギリの所まで迫ってくる。


っと、少し速いな。


「イクト!! そいつは格闘が本命だ!! 気を付けろ!!」


アリスが大声で叫んでくる。


(ダイジョーブだって……)


俺は男を見ながらアリスに軽く手を振る。


(ちょっと本気だすか)


混沌カオス


詠唱とともに俺の右腕に黒い炎(膜のように混沌を張っている)を灯す。


「それが貴様の本命か?」


男が聞いてくる。


「まぁね。一応は」


「ふん!! では、これで最後にしよう」


男はまわりの炎をすべて左腕に移した。


「セィ!!」


短い気合いを放つと、一直線でこちらに向かってくる。


俺も身を屈め、殴りの姿勢に入る。


二人ともほぼ同時に拳が動いた。


結果は無傷の俺て腹を殴られた男だった。


「ぐはっ!! 何だ……それは?」


口から空気の塊を吐き出しながら男が言った。


なぜなら、今俺の腕に灯った黒炎は、二つに枝分かれしていたからだ。


一方は、男の炎を力で打ち消し、もう一方は男の腹を思い切り殴っている。


「別に、ただ殴っただけ」


倒れ込んでいく男を見ながら、俺は言い放った。




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