エピソード6
気が付けば、列車の中にいた。
ヒロミは英検準1級の試験の本を読みながら、列車に乗っている。
何が起こったかというと、
マチコはヒロミのいる部屋では眠れなく、2週間ほど睡眠をとってない状態で、街をさまよう事が増えた。
公園で寝ているときもあった。
それくらい、気が狂い、うまくいかなかったのがヒロミとのルームシェアである。
マチコはヒロミとの会話の文脈を覚えていない。
しかしだ。
こういわれたのは真実である。
(君のお父さんが悪い)
(そんないいひといない)
(君は恵まれすぎている)
(君はここにいるべき存在ではない)
と泣きながら話すのがヒロミである。
マチコは2週間、眠れなかった結果、キチガイに変貌し、
しまいにはヒロミに(帰れ、カムイ)と悪口をいわれるようになった。
ヒロミの前でマチコは白目をむいた。
気が付くと、列車の中におり、
ヒロミは(君を祖国に帰さなければならない)と訳のわからない正義感がヒロミはあり、
11月の連休で北海道までの列車にのったのは、突拍子もなく滑稽であった。
ヒロミは、ずっと英検の本をよんでいる。
(私に足りないのはこれだ!)
と話している、電車の中、気が気じゃないマチコはまた、白目をむいて眠るのである。