エピソード3
いよいよもってルームシェアを開始した。
3年の夏休みを超えて、マチコの実家のある札幌で休んで帰ると、ヒロミとヒロミのお父さんが引っ越しの手伝いをしてくれて、ヒロミのお父さんがお蕎麦をごちそうしてくれた。
その時、マチコは疲れ果てて、お礼を言うこともわすれ、大変子供のような態度をとってしまったことを悪く思っている。
悪く思っていることはもう一つある。
マチコとヒロミは大学の学部が違う。
お互いのゼミや研究室のことを話し合ったりしていたのだが、
ヒロミは悩んでいることがあった。
それを聞いてみると、(ヒロミのお姉さんが白血病になり、今、家が大変なんだ。仙台に帰ったりして、お手伝いをしているのだけど、研究室の奴らがやなやつばかりで、ストレスがたまって仕方ない)
というのである。
その件に関して、マチコは(そんなの人の命のほうが大事だから、研究室の先生に訳を話して、月に一回くらいで報告する関係になれば?)
そんなことをマチコはヒロミに話したのである。
その結果、ヒロミはマチコのいう事をきいたのだが、ヒロミの人間関係を奪うことになったことは言うまでもなく、そこまで助言したことは結構、後悔している。