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第七話

冬休みに入ると、クリスマスを祝う人で街の中は賑わっていた。


「今年のクリスマスは3人で祝うとして、どこに集まる?」

「今回は僕の家は無理かな…久しぶりに父さんが帰って来るんだ〜」

「へ〜恵のお父さんかぁ〜挨拶に行きたいな〜。ダメか?」

「ちょっと待って…父さんには言ってないんだ…僕が恋愛対象が男性だって事…」

「そっか…そうだよな…うん。じゃ〜うちに来ないか?家族で旅行いくって言っ

 てたから、騒いでもいいし。泊まっていってもいいぞ?」


俊は家族旅行にはついて行かないつもりでいるらしい。


「家族旅行はいいのかよ?」

「いいよ。いつもの事だし。母方の実家に帰るだけだし。それに荒太と恵が来るっ

 て言えばなんとかなるって…」

「俺らをダシに使うなよっ!」


俊は笑いながら嬉しそうにしている。

多分何も聞いていないのだろう。


「ちょっとトイレ行ってくる」

「おう、しっかり出してこいよ!」

「はははっ…荒太ほどじゃねーよ!」


俊が席を外すと恵が横に座った。


「俊に言わなかったんだね…」

「俺から言えるかよ。自分の口でしっかり伝えろよ。俊の事思ってるならあんまり

 先延ばしにして、いく前日とかに言うなよ!」

「それも…いいかも」

「喧嘩してもいいから、言い合えよ!自分の気持ち全部ぶつけてこいよ」

「ほんと…荒太くんって優しいんだかキツいんだか分からないや…」

「俺は優しいの。俺が邪魔なら席外すぞ?」

「いいよ、このまま側にいてくれる?クリスマスには言うから」

「そっかぁ…」


荒太は恵の決意を見ると、ただ黙って見守る事にした。


へたに告げ口はしない。

そう、決めたからお互いで話し合うまでは何も言わないと恵にも言った。


テストも終わりあっという間にクリスマスがやってきた。


プレゼントも用意すると、俊の家へと行った。

恵も先に来ていて料理を一緒になって作っていた。


「おぉー。すげーじゃん。恵も俊も料理できるんだな〜」

「手を洗って荒太くんも手伝いなよー」

「俺は食べる専門だもん」


二人っきりの時間を邪魔するなんて野暮なことはしないと思うと先に居間へと

スタスタと歩いて行く。


楽しそうにキッチンに立つ二人を眺めながらソファーに寝転がった。

今日、あの事を言うのだろうか?

俊は何を思うのだろう?

怒り出す?それとも泣き出す?


俺は一体どうしたいのだろう…。


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