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第二十八話

食事を終えると、俊はまだ何かいいたげだった。


「まだあいつに会いに行くのか?」

「教授の事か?行かない訳ないだろ?まだ頼まれた仕事も終わってねーし」

「行くなって言ったら行かないでくれないか?」

「却下。」


即答で言うと、寂しそうな顔で見てくる。

まるで置いて行かれた子犬のようだった。

いつもイケメンで知られた俊がこんな顔をするなんておかしくてしょうが

なかった。


「一度やるって言った限りは投げ出すなんて俺はしたくねーよ。俊は俺が

 そんな無責任な奴だって思ってるのか?もしそうなら残念だよ…」

「違うっ!荒太は誰にもで平等で、絶対に差別しない…俺が恵に告白する時

 だって、応援してくれるような優しい奴だって知ってる。知ってるけど…」

「なんだよ?」

「心配なんだよ…!荒太に手を出すなって言ったら、あの野郎はっ…」


何かいいたげだったが、それを塞ぐように軽いキスをした。

唇を押し付けただけの軽いヤツだけど、俊の言葉を止めるのには役にたった

らしい。


「お前、教授に何かいいに行ったのか?もうやめとけ。」

「でも…」

「何もないし、俺と付き合ってるのは誰だ?」

「…俺だけど…」

「なら、自信持てよ。俺は他所になびいたりしない。そうだろ?」


(俊お前が他に靡いていなくならない限りは俺はずっと…)


まだ納得できていない顔だったが、これ以上は何を言っても無駄だった。


「なら。俊、お前も来ればいいだろう?近くにいれば安心なんだろう?俺も

 その方が嬉しいし…一緒にいくか?」

「あぁ、わかった。」


俊はやっと納得したのか頷いたのだった。

怒りを露わにするのはいいが、少しは労って欲しい。

昨日はあまりにも性急過ぎて裂けるかと思うほど痛みがあった。

最後には快楽のが優ったが、最初は本当にはじめての時を思い出したほどだ

った。


初めてホテルではしゃぎながら繋がった時は、とにかく気持ちいいというよ

りは痛みに必死で耐えるだけだった。

俊の顔が必死で、それだけが嬉しくてただただ我慢していた。


その後は腫れた箇所を必死に隠して過ごしたが、自分で必死に広げる努力を

した。

次があったのは、それからしばらくしての事だった。


恵が見つからない事に苛立ちを募らせ、抱かれた。

俊の呼ぶ声に『恵…』と呼ばれた時はさすがに辛かった。


今では慣れたもので、当たり前のように身体を繋げて、気持ちよくなって

いる。



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