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第十九話

ずっと東京に住んでから、休みの日になると色々なところへ出歩き、

恵を探していた。


近郊の大学も探したが、未だに見つかっていなかった。

勿論、高校も訪ねて在校生を探して貰ったが見つからなかった。


「恵…どこにいるんだろうな〜」

「そうだな〜、もういないのかもな〜」


ベッドに寝そべるとさっきまでしていた行為を忘れたかのように大学での

事や、学部の状況と面白かった出来事などを話していた。


「そういやさ〜この前さぁ〜山村教授が〜」

「その山村教授って荒太になんでも任せすぎじゃない?嫌なら嫌って断れよ」

「いや〜別に嫌じゃねーけどな〜。多分…おんなじ気がするんだよな〜」

「何が?」

「何でもねーよ。寝よっか?もう、疲れて動けねーよ。」


疲れた身体をダラダラとさせながら俊に腕を伸ばした。

俊も抱き寄せると、そのまま眠りについた。


人の体温というのはいい眠りにつきやすく、心音は安心させてくれる。

いつも不安な想いを抱えながらの荒太にはこの時間だけが唯一の癒しだった。


起きると、朝ごはんを食べて大学へと向かう。

サークルの飲み会は多くて毎週末にある。


「荒太〜、今日は?」

「今日は焼き鳥の久兵衛だって〜、迎えに来なくていいからな!」

「ふ〜ん、ちゃんと帰ってこれるの?」

「帰れるわぁ〜!俺、子供じゃねーし」


そんなやり取りを周りに見られつつ、各自教室へと向かう。

俊とは一緒の講義はないので、朝と夜、帰ってからしか会うことはなかった。


サークルの飲み会にいくと、誰もが気が大きくなってハメを外す事が多々あった。


「ちゃんと飲んでるかー?」

「飲んでましゅよ〜、先輩はまた女の子の持ち帰りゅでしゅかぁ〜」

「池上酔ってないか?」

「だいじょ〜ぶっすよ〜」


家では飲まないので、外では余計に飲んでしまう。

明日は昼からの講義なので平日でも平気だった。


「これから二次会へ行く人〜」


幹事が声をかけると荒太も手を上げる。

すると横から手を掴まれ引き寄せられた。


「こいつ連れて帰ります」

「お!保護者登場か?」

「すいません。こいつ酔うと絡むんで…」

「早く連れて帰れ!」

「はい」

「えーーーー、俺も行くーーーー!」

「荒太はもう帰るんだよ。飲み過ぎだ」


背中に背負おうとすると、歩けないのかふらふらしながらもおぶさってきた。


「もうっ、俊は心配性なんだから〜、俺はまだ飲めりゅし〜」

「はいはい。分かったから、帰ろうな?」

「う〜ん、仕方ないなぁ〜俊が言うなら帰ってやる〜」

「はいはい。ありがとう。」

「しゅん〜〜〜俺の事好き〜〜〜?」

「あぁ、大好きだよ」

「俺も〜〜〜、俺も俊が大好き〜!ず〜〜〜っと昔からだーーいすき!」

「俺も荒太の事大好きだから…」

「嬉しいな〜初めて俊が俺の事好きって言ったぁ〜〜〜」

「はははっ、毎回飲むたびに言ってるんだがな〜」


荒太を背負ったまま家に帰り着いた。

ベッドへ寝かすと服を脱がせた。

洗濯機に服を押し込むと下着も脱がせたのだった。

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