第十二話
風呂は共同で大きな浴槽が完備されていた。
仕切りがあるシャワールームはサッと汗を流したい人がよく使っているらしい。
「うわぁ〜ひろーい。銭湯みたいじゃん…」
「騒ぐなって…」
「誰もいねーんだからいいじゃん?俊くんは堅苦しいな〜」
「ほ〜荒太はここで悪戯されたいのか?」
「へんっ、やれるもんならやってみろってーの♪」
呑気に洗面器にお湯をためると体を洗い始めた。
大きいお風呂に気分がいい荒太の後ろにぴったりと俊がくっついてきた。
「ん?」
「じゃ〜悪戯しちゃうよ?」
言葉の意味を考える前に抱きすくめられると後ろに何かが当たっていた。
「おいっ、ここはっ…」
「煽ったのは荒太だからね?」
泡だらけの身体に俊の指が弄ると身体中がこそばゆくて笑い転げた。
逃れようと立ち上がるも離してくれず笑い声がこだましていた。
「もうやめろって…くすぐったいって…あっ…」
一瞬触れられた場所に感じたのか自分じゃない声が漏れた。
笑い飛ばされると思いながら俊を振り向くと真剣な顔で見下ろしていた。
「気持ち悪りぃ〜なんだよ今のー、はははっ、冗談だぜ?」
「ちょっとごめん…」
「んんん!!」
俊の手が荒太の剥き出しの尻を揉むと間に硬いものを挟んだ。
何をされたのか考えるまでもなく素股と分かった時には勢いよく擦られて
イってしまっていた。
みんなが使う共同の場所で、誰もいなかったからいいようなものだが、見
られでもしたら一大事だった。
「俊、反省しろよ。場所をわきまえろって言ってんだよ」
「部屋ならいいのか?」
「そりゃ〜部屋ならな…ん!って…えっ…」
続きとばかりに壁まで追い込まれるとさっきと同じように、今度は下着を
付けたまま挟まれたのだった。
これに味をしめたのか毎日寝る前に勉強の後はこっちの勉強をするハメに
なった。
後ろから気持ちよさそうに聞こえてくる声に荒太も満更ではなかった。
「流石にテスト週間は授業の流れが早いよな〜」
「分かって解いてるか?」
「分かんね〜」
「何が分からないんだ?」
「それすらも、分かんね〜ヤバい…俺ついてけね〜」
頭を抱えるようにゴロゴロとベッドに転がった。
「今日はこっちの勉強の方が先がいいの?」
欲情したような目で見つめられると、弱い。
両手を広げてキスをねだった。
深く絡めて吸い上げられると苦しくて、気持ちよかった。
もっとと強請ると腕を絡めた。
「はい、ここまで。まずはここ解いて」
「けちっ…」
「ここまで解けたら気持ちよくしてあげるよ?」
俊の笑顔に負けて、問題に取り掛かる。
解き終わった時にはズボンのチャックを開けられると俊のと重ねられ一緒に
扱かれていた。
落ち着くと、すぐに切り替えるように勉強へと戻されたのだった。