表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/24

第8話

「お嬢さん、どこのお尋ね者かは知らないけれど、この後はどうするんだい?」


そう尋ねられ、私はうーんと悩む。


「ここら辺に新聞記者とか情報屋とかって居ませんか?」


私は恐る恐る尋ねてみる。

昨日から私はこの少年に頼りきりだ。


しかし、相変わらずフードで顔が隠れているせいで、表情がいまいち読めない。

今のところ悪い人ではなさそうだけれど、油断は禁物だ。

なるべく私のことは隠しておこう。


「新聞屋なら、ここの近くにあるよ。どうせ俺も午後まで暇だし、案内してやろうか?」


「え?いいんですか?」

何ていい人なのだろう。


段々この人を心から信じきれていないことに罪悪感が湧くほどに優しい。


「あの、ところで、あなたのお名前は…?何と呼べばいいでしょうか?」


自分が名乗らないのに人の名を聞くのは失礼だろうけれど、なんと呼べばいいかも分からないので一応聞いてみる。


「あー、俺もお嬢さんと同じで、あんまり話したく無いんだよねー、俺のことはレオって呼んでくれ。」


「レオさんですね!分かりました!」


彼もまた何か特別な事情でもあるのだろうか?

しかし、私も自分の事が話せない立場上、他に質問するのも無粋であろう。


私はレオさんの後をまたついて行く。


宿を出て何回か右左と角を曲がったのち、小さくて古い店にたどり着いた。


「ここが新聞屋だよ。

俺はそろそろ知人と待ち合わせの場所に行かなきゃいけないから、バイバイ。」


そう言ってレオは手を振って去っていった。


恐らくもう会うことはないのであろうが、人にこんなに優しくされたのは久しぶりだった為、とても暖かい気持ちになった。


「さあ、後は情報を売りましょう!」


私は意気揚々と新聞屋に入って行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ