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第2話

私には腹違いの妹が3人できた。


それが時を経つにつれ、見た目は天使の様に可愛いが、中身はどんどん悪魔の様になっていった。


継母は妹たちにことごとく私とは仲良くしないこと、他の人にはいい子でいるかわり、私のことは召使い同然の様に扱っていいなどと教えていった。


そのせいで、私より小さな妹達はどんどん私のことを見下す様になっていった。


「ねえ、何であんたがこんな良さそうな服着てるのよ?私の方が似合うんだから寄こしなさい?」


「お腹減ったからおやつ貰ってきてよ、早くしてね、ノロマさん?」


「あんたただでさえ背だけでかいのに、ハイヒールなんて履くの?そんな物似合わないんだから捨ててあげるわよ。」


そういうことが日常茶飯事になってきた。


しかし、継母も妹たちも外面だけは良く、実際、民衆からも人気があった。


私、もう生きてる意味なんてないのかな?


そう思わない日はなかったし、何度も自殺を考えたが、どうしても釈然としない。


何故私があいつらのせいで死ななければいけないのか?


いつか目に物見せてやる!


そう決意した私は、とある計画を立てる。


復讐するまでは、絶対に死んでやらない。


階段から突き落とされようが、水をかけられようが、私はひたすら耐え忍んだ。


そして、16歳の誕生日に、父に呼び出された。


「ステラ、お前にいい話がある。」


私は何となく察していた。

きっとろくでもない話だと。


「お前に縁談の話が出ている。

隣国のドレッド・ベイカー伯爵様だ。

お前みたいな取り柄のない娘でもいいと喜んでいたそうだ。」


それはすなわち政略結婚ということだ。


何がいい話なのだろう?


自分だって嫌々政略結婚させられたのに、それを娘に勧めるなんて。


しかもドレッド伯爵は50過ぎのおじさんだ。


何より若い娘が大好きで、お金で若い娘と遊んでいると有名な伯爵だ。


そんな奴と結婚?


普通なら、可愛い娘をそんな男の元に嫁に出すなんて考えないだろう。


いくら政略結婚にしたって酷すぎる話だ。


「お前にとってはいい話だろう?この家を出て、愛されて幸せに暮らせる。」


父は私が継母と妹たちから虐められていることを知っている。


知っていて放置したくせに今更これとは呆れて物も言えない。


「…承知しました。

ありがとうございます。」


私は本心にも思っていない礼を言い、頭を下げる。


なんて滑稽なのだろう。


「明日の正午にはドレッド伯爵がお見えになる。それまでにメイドたちに服は用意させたから、明日はそれを着てご挨拶しなさい。」


この父は私がろくにドレスがないことすら知っていたのか。


私はかしこまりました。とだけ挨拶し、部屋を出た。


「…最悪」


しかし、これは逆にチャンスでもあった。


明日のお見合いにドレッド伯爵がお見えになるという中、私が屋敷に居なかったら?


恐らく大恥をかくであろうことは必須だ。


いや、大恥では済まないだろう。隣国との協定も危ぶまれ、最悪戦争にもなりかねない。

そうなると原因はこのお屋敷、アルミール家だ。

恐らくお屋敷は私のせいとなすりつけてくるだろう。

しかしそこで私が今まで虐められていた過去を暴露したら?


そしたら、アルミール家は多大な批判を

買うことは間違いない。


そうと決まれば。


私は今夜、お屋敷を出よう。

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