第17話
ドレッド伯爵は取られた紙を奪い返そうともがいていたが、しかしもう紙の内容はデカデカとテレビに映ってしまっている。
「皆さん、先程は偽の誓約書を見せてしまい申し訳御座いません。こちらが本物の誓約書です。」
そちらには先程と同じ様に、私を100万ペルで譲渡するという内容だった。
「そんな、私、売られそうになってただなんて…!」
そんなの、政略結婚よりも酷いじゃないか!
私はギュッと自身の手を握る。
「これでお分かりになりましたか?皆さんが我が儘だと言っていたステラお嬢様は、本当は1番の被害者なんです!」
そうレオルド伯爵は高らかに言い切った。
「公爵も、公爵夫人も、テレビをいい様に使い情報操作しましたね?これは政治家としてあるまじき行為では?
それとドレッド伯爵、あなたは他にも異国からまだ10にもならない少女たちをお金で買ってますよね?国の税金で。」
なんと、怒涛のレオルド伯爵からの爆弾が次々と投下される。
レオルド伯爵はテレビに小切手を見せつけた。
「証拠なら沢山ありますよ。」
そこまで言われ、胸ぐらを掴んでいたドレッドは手を離し、ヘナヘナと地面に崩れ落ちた。
「くそ、なんでこんなことに…」
すると、レオルド伯爵は腰を下ろし、テレビに聞こえない様ドレッド伯爵に耳打ちした。
「あなたは自身の兄であり、私の父を政治界から追放させた。
その恨み、やっと晴らせましたよ。」
そう言って満足そうにレオルド伯爵は立ち上がり、またテレビに向かって喋り出した。
「皆さん、色々と驚かせてしまい、お昼時に見苦しいものまで見せてしまい、大変申し訳ございません。」
「そして、これを見ているであろうステラお嬢様。これからはもう安心して下さい。
あなたはとてもお優しく聡明な方だ。
是非俺と婚約して下さい。」
そう言って、テレビはプツンと途切れた。
恐らく公爵である父がテレビを終わらせたのであろう。
真っ暗の画面には驚いている私の姿が写っている。
「婚約も何も、私レオルド伯爵様なんてお会いしたこともないのに…」
「それは本当にそうかい?」
アルデーレおじさんはそうニヤっと笑う。
「え?」
「レオルド伯爵の声に聴き覚えはなかったかい?」
そう言われてもう一度レオルド伯爵の声を思い出す。
とても美形なのに、声は少しまだ幼い感じが残ってる、まるで少年の様な…
そこでハッととある人物を思い出した。
「そうだわ、ここに案内してくれたフードの少年!」
レオルド伯爵の声はレオと名乗っていた、あのフードの少年の声と同じだったのだ。




