3話 光
『スター』と言われている世界には最初に述べた如くルールなどの縛りはない。
しかしながら時という類は存在していて、感じることの存在もあり、共感もある。
何故伝わるのだろうか。そう思う時もあったが、別にどうでもいいと思うことが毎回の結論であるのだが、
それは『共感し合えた』から終わる話なのである。つまり、『異なれば、異なる理由を出さなければ、どうでも良くない』のであるが、感じた者にそこまでの冷静さは持ち合わせていない。なぜならば、彼らは彼らに出会うまでは、彼らの思想に関して赤ん坊並みの能力だったからである。つまり、彼らは『急に始まった問いに、焦っている。』そして、『完結しない問いが邪魔である』ことが頭の中で一杯になり、爆発するのである。
昔の人はそれを『怒り』、『悔しさ』だと言っていた。また、最初の行いを『自我』だとも表していた。
この世というものは何故が残酷になる。それは、終わりというものがあるからだ。
イリプレイスの技術があったとしても、直せない障害というものはある。
皆は彼の技術を認めているからこそ、彼に期待をするのだが、彼にも限度というものがある。
『情報さえあれば、幾らだって調べられるのに。』彼の口癖だ。
いつの間にか始まった期待というものに、彼は逆に圧力を掛けられている。いや、自分で掛けているのかもしれない。僕は彼の『緊張』や、『苦しみ』を分かち合うことは多分無理だろう、だが、私は『孤独』にはさせたくない。彼が抱えるべき問題ではないのだ。彼は須らくしてこの技術を身に付けた訳ではない。だから、彼の支えとまではいかないだろうけど、その気持ちだけは持ち続けていきたいものだ。
ノーマル
(その為だけに、僕は彼を支援しているんだ。僕は僕が分からないところで、彼に助けられている。)
この気持ちは僕だけが持ち続けていればいい。彼が感じようが感じまいがどうでもいい。
彼は苦しんでいるんだから。
イリプレイス
『なんだか、気持ちが楽になった気がするよ。』
『悩み事を話した訳でもないのに、報われた訳でもないのに、おかしいね。』
ノーマル
『よかったじゃん。イリプレイス。君がいつも頑張っているのが報われた証拠なんじゃないの?』
イリプレイス
『報われたって、何も起きていないよ? でも不思議だな。』
彼の何かに伝わったのだろうか。彼の知らない彼に僕は助けになっているのだろうか。
いや、さっきも言ったよ僕。そんなの今考えることじゃない。彼はやっと今前に進めたんだから。
彼の光に別の彼の顔がほほ笑んでいたような気がした。僕はその現象に何も言葉をしなかった。
イリプレイス
『皆多分怖がるだろうな。知っていることではあるんだろうけど。その恐ろしさを目の当たりにすると』
『光を知るなんて言葉にしない方が意外と楽だったりするんだ。』
『だってそうだろう? 皆知らなければ、運命のせいに出来るんだから。』
『だけど僕はこの才能で生まれた。ということは、何か意味があったのかもしれない。』
自問自答、または鼓舞だろう。『語彙として完結できる。』これは、才能なのだが、ある意味、恐怖なのである。脅威なのである。『だって、解っちゃうから。説明できちゃうから。』
彼が語っていた『運命』という語彙に、私はとてつもなく感動を持っていた。
誰だって『運命』だと感じていたものが、ある時、『当たり前』なことになってしまった。
『当たり前』になれば、『その程度』だったことが分かり、『その程度』で夢や希望を失ったことに、
『記憶が勝手に改ざんされてしまうのだ。』そのことに対して受け入られず、咄嗟に拒否をしてしまうのだろう。語りすぎた。。
そう捉えるかはその者次第なのは分かりきっているが、そう言わないと分からない者。そう言わないと見直しが図れない者が醜く散ってしまうのである。まぁ、『醜く散る』という表現もあまり宜しくなかったことは自負しているが、そこまで言わないと反省しないのが【当たり前】なのである。
私はこの気持ちを語彙にする気持ちはあるが、それがそうと理解されないのが【当たり前】なのである。
先人が遺した「前向き」という言葉は、とても残酷なものだな。
幾ら「前向き」で在ろうが、伝わらなけば、無かったものと一緒なのだ。
僕らは傷つける恐れがあることに覚悟を持たなければならない。
自分達が傷つく覚悟なんて僕らにとっては【当たり前】なんだから。




