2話 鮮明
イリプレイスの家には、時折来客が来る。
光が不安定な時は皆、イリプレイスから光の交換を行ってもらうのだ。
これはイリプレイスにしか出来ない技術。彼の分析は凄いものだ。
【置き換えられない】ことを扱う彼には何が見えているのだろうか。また何を目的としているのだろうか。
私は彼のその素晴らしさに毎度敬意を表したい。
イリプレイス
『ノーマル、少しだけ話をしよう。』
イリプレイスはいつもは明るい奴なのだが、真面目な話をすると彼の声色は変わる。
彼は定期的に僕を診てくれる。理由は、
イリプレイス
『君は【当たり前】だから。定期的に診ないとね。』
今日あった出来事や、生きた証に触れたことや、謎の物体に襲われたことなど、彼に全てを伝え、いつも通り彼は光の交換を行う。【生きた証】とは、先人が遺した欠片など、【謎の物体】はいつも暗いので、何なのかは未だに判明しない。【生きた証】や【謎の物体】に触れたり襲われたりすると、触れた部分のみ光が弱くなる。どういう仕組みなのかは知らない。けど皆は、イリプレイスは居てくれればそれで安心なのだ。
イリプレイス、君がいてくれて、ありがとう。
僕たちは自分の光が見えない。自分が発光しているから、自分の色さえも分からない。
この世界を纏う暗闇が、反射してくれる物はない。しかしながら、仲間がいることで自分の存在が確かめられる。光によって僕らは通じ合える。光によって温度が分かり、痛みが分かる。
そう考えると、イリプレイスはとても光に敏感なのかもしれない。私はそう思う。
私は、光を貰わなくても彼らの日常の隙間を辿っている。
【当たり前】の行動ではあるが、【当たり前】とは【変化】と同じようで、先程の【生きた証】や、【謎の物体】が存在していないかの巡回も兼ねている。また、衝突が起きる前に未然に防ぐこと、体調悪き者の看病だったりだ。イリプレイスの支援もしているから、まぁ忙しいのである。
ノーマル
『【謎の物体】に襲われるのは仕方がないんだけど、【生きた証】を知らない人多いよね。』
イリプレイス
『そりゃそうさ。誰だって皆、全てを知っているわけじゃないんだ。君だって、僕に教えられなければ、知らなかっただろう?』
ノーマル
『でもね、それを教えないことは違うと思うんだ。多く知らせるためには何が必要なのかな。』
イリプレイス
『光だろうけど、伝わる時間が遅かったら、ある意味、手遅れなんだよね。』
ノーマル
『【謎の物体】が光を遮ることだってあるし、光を変化させて、意味合いを変えることだってある。』
イリプレイス
『まぁ、でも、多くを救おうとしたら時間がかかるから、手短なところから教えていこうかね。』
ノーマル
『イリプレイスの知識を教えてくれ。』
僕らは行動に起こした。瞬時に伝わる範囲だけでも。僕らの行動は広まっていった。
僕らは正しいことをしたのだ。




