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雷名の牙 ~拳王と巫女の異世界冒険紀行~  作者: ファイバード
第一章 紅炎~Crimson flame~
18/20

第一章その12

 雷牙は、器に満たされたシチューの匂いを確かめ、一口だけ舐めた。

「……毒は、ないな。 じゃあ、いただきます」

 トレーに乗せられていたスプーンを手に取

「グゥッ!?」

ろうとしたその瞬間、左肩に激痛が走った!!


 驚いてみると、左腕には幾重にも包帯が巻かれ、僅かに血が滲んでいる。

「……そうか。 あの竜と戦って、倒れたんだったな」

 左腕は動かせそうにない。 雷牙はとりあえず、右手だけでシチューを口に運んで、すごく嫌そうな顔をした。


「───マズい」

 料理の文化が違うとか、そういうのを無視したレベルでクソマズかった。 粉っぽい味に、生煮え、焦げ、ざく切りの素材が適当に突っ込まれている。 ものによっては、皮が残っていたりしている。

「なんつー雑い作り方だよ」


 だが、飯を粗末にするのは、信条に反する(コレを飯に含めるのも信条に反する気がするが)ので、意を決して二口目を救った時、

「ん?」

視線を感じた。


視線は、部屋の扉からきている。

「じー。」

 横目に見ると、戸の隙間から、無言で見つめるルチルの姿があった。 雷牙のことが気になるのか、息をひそめるように見つめている。

「いや……、見つめられると、食べにくいんだが」


「あ、ご、ごめん…なさい」

 ルチルは気まずそうに、視線を逸らした。

「……」

 その動きに、違和感。 ”””左目が動いてない。 いや、これは───”””

「お前、その左目……、見えてないのか?」


「ッ……! う、うん……」

 ルチルは一瞬、驚いたような顔をした。 それから、小さく頷いた。

「……そうか。 いや、悪い。 忘れてくれ」

 雷牙の聴覚(アストロボーイ級)は、ルチルの声が僅かに震えていることに気付き、深入りするのをやめた。


 ルチルは、その気遣いに気付いたのか、僅かに顔をほころばせた。 その変化は、雷牙には気づかれていなかった。 雷牙は食事に戻っていたからだ。


   ~~~   閑話休題   ~~~


 食事を終えた雷牙は、ルチルに案内され、別の部屋へ移動していた。

 道中の通路も、『医務室』の札がかけられたこの部屋も、すべて岩でできていて、観葉植物の照明が並んでいた。 部屋には窓があって、日光が差し込み、結構明るかった。


「ほ、包帯…変える、から……、そこ、す、座ってて……」

「おう」

 雷牙は言われるまま、木製のベンチに腰を下ろす。 そう言えば、このベンチも、見たことのない木材が使われている気がする。 こんな所にも、別世界だと思い知らせてくる要素があるものだ。


 壁際の薬品棚に目をやる。 入れ替えの激しい感じがした。 そして、薬が極端に少ない。 おそらく、手に入れた端から、消費されているのだろう。

 ”””部屋自体も、血(なまぐさ)いな。 死人がでてる部屋の匂いだ。”””

 雷牙にとっては、特段異様でもないが、一般人なら、においだけで気分が悪くなるような部屋だ。


雷牙「もうテンプレでいいや」

愛羅「気に入ったら、応援してね!」

雷牙「次回もお楽しみに~!」

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