第一章その11
───キンッ
一人と一頭は、空中で交差し、そして、決着がついた。 着地した雷牙の後ろで、山の主は首から血を吹きながら倒れたのだ。
ズズゥウン! 今度こそ動かなくなった竜を背に、雷牙は拳を高々と突き上げた。 そして、力を使い果たした雷牙は、膝から崩れ落ち、意識を手放した。
~~~ 悪夢 ~~~
「ネェ、私ハ、ドウシテ死ンダノカナ」
星空の広がる花畑。 一面に彼岸花が咲く、紅い色の花畑だ。 雷牙は愛羅と向き合っていた。
「マダ生キテタカッタノニ、私、死ンジャッタ。 ゴメンネ」
「……」
愛羅が、頬を染めて笑う。 その頭からは、赤い水が流れ落ちていた。 コワイ。
「雷牙ガ、アノ日、アノ場ニイナカッタラ、コンナコトニハ、ナラナカッタノニ。 ヒドイナ」
「……」
雷牙は何も応えない。
「ねぇ、ドウシテ一緒に死ンデクレナカッタノ? 私、一人でデ暗イ処ニイルノ。 寂シイヨ」
いつの間にか、愛羅の顔はボロボロと肉が崩れ落ちている。 肉がなくなって、骨が見える。 まるでゾンビーのようだ。
「ネェ、雷牙。 一緒ニ、死ンデヨ」
「五月蠅い。 死人が囀るな」
グチャリ。 雷牙の爪が、愛羅の顔『だった』ものを握りつぶす。 ニクが崩れる音がして、そのまま腐って溶けた。
「……チクショウ」
血液と肉片のこびり付いた手を見て、雷牙は涙を流した。
「……チクショウ!」
そこで、目が覚めた。
~~~ 白駒だぜ ~~~
「知らない天井だ……」
目が覚めると、雷牙は見知らぬ部屋にいた。 壁も床も天井も、全部が岩でできた、薄暗い部屋だ。 雷牙の躰は、粗末なベッドに寝かされていた。 横を見ると、枕元に置かれた観葉植物が、淡い光を放っている。
「この草が、照明、なのか……。 なるほど」
と、近くで足音が響くのが聞こえた。
「……?」
振り向くと、褐色肌の少女が、部屋に入ろうとしていた。 確か、ルチルと呼ばれていた少女だ。
虚ろな目に、全身に生々しく残る、火傷の跡。 白い髪に、”豊満な胸”←ここ重要。
「あ、その……」
ルチルは、雷牙と目が合うと、怯えたように後退った。
「その……食事、持ってきた…から」
見ると、ルチルの手には、お椀の乗ったトレーがある。 湯気と、香ばしくはない匂いが感じられた。
それにしても、たどたどしい口調だ。 失語症、とでも言うのだろうか。
「ご、ごめん、なさい…」
少女は、ベッドの横にトレーを置くと、逃げるように部屋を出ていった。
「……あ、」
雷牙が声をかけようとした時には、すでに部屋の戸がしまっていた。
「話しそびれたな。 まぁいい。 飯だ」
雷牙「クッソ痛い!」
愛羅「そうだね!」
雷牙「後、一々ここのネタを考えるのもめんどくせぇ! というわけで次回に続く!」




