第一章その9
「や、山の主を、一撃で……?」
レラは驚きに目を見開く。 その視線の先には、地に付した竜と、竜を見下ろす、赤毛の獣人。 獣人───雷牙の右手から、ポタポタと竜血が滴り落ちる。
「……」
雷牙は、無表情なままで、横に目を向けた。 雷牙の視線の先では、捻じれ角の竜人を、褐色肌の少女が手当てしていた。
「アタシのケガは軽い。 すぐ直るさね。 それより、他の仲間の手当てを……」
「……もう、手遅れ」
「そうかい」
少女が首を振る。
竜人───レラは、ゆっくりと立ち上がり、ため息を吐いた。
「さて、ルチル、今の見たかい?」
「───うん」
「山の主を、一撃で仕留めるんだなんて、ねぇ。 まるで、聖騎士だよ」
感心したように言うレラに対し、ルチルと呼ばれた少女は、無言でうなずいた。
~~~ 動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し ~~~
雷牙は、山の主の喉元に目を向ける。 まだ、呼吸している。 衝撃で気絶しただけで、ダメージは深くはないようだ。
と、雷牙の後ろに足音。 振り向くと、粗末な槍を持った兵士が、雷牙を睨んでいた。
「き、貴様、何者だ! 名を名乗れ!」
気が付けば、左にも兵士。 右にも兵士! 囲まれている!
「……」
雷牙が無言で睨めつけると、兵士は怯んだ。
「ウッ……」
だが、兵士は槍の穂先を動かすことはない。 DANGER! まさに、一触即発だ! 雷牙が拳を握る。 一般兵など、一撃で肉片に還られる拳をだ。
だが、その時、
「よしな、お前たち! 武器を下すんだよ!」
声が響き、兵士たちは振り向いた。 視線の先には、声の主の姿。
声の主は、レラだった。 その一歩後ろには、褐色の少女が寄り添っている。
「し、しかし、コイツは……」
「言い訳は良しな、ジゲン。 この人は敵じゃない」
「は、ハイ」
レラの口調に気圧されたのか、兵士は槍を下した。 それを確認してから、レラは雷牙に近づく。 そして、一礼をした。
「あらためて、レラ・バニングだ。 んで、こっちの娘が、ルチル」
レラの手が、少女───ルチルの肩に置かれる。
「ライガ。 六道、雷牙だ」
一度教えた名ではあるが、兵士たちに言うつもりで名乗った。 シツレイをするわけにはいかない。 それが、雷牙が師から教わったことの一つである。
”””金紅石……?”””
「じゃあ、よろしく」
そう言ってレラは右手を差し出す。 雷牙とは違って、紅い鱗に包まれた手だ。 この鱗と角が気になるが、そういう種族だと思うことにした。
「あぁ、よろし───
雷牙が握手を返そうとした、その時、
「GUOOOOOOOO!!!!」
突然の地響きと咆哮!
「な、なんだ!?」
「おい、見ろ! 山の主が……!」
雷牙「さぁて、物語も盛り上がってまいりましたー!」
愛羅「なんか、本編以外が混じってた気がするけど……」
雷牙「あぁ、あれ? 魔物図鑑な。 せっかく作ったし、時々公開してこうかなって」
愛羅「あ、あれ続くんだ」
雷牙「次回もお楽しみに!」
愛羅「応援してね~!」




