第一章その7
「に、逃げろー!」「ヒェエエ!」「振り向くな、走れぇ!」
恐慌状態となった兵士たちは散りじりになって逃げていく。 そんな中、レラは速やかに次の指示を下した。
「アンタたち! 一度散らばりな! 木の陰に隠れて、やり過ごすんだよ! 今は耐えるんだ!」
”””なんて冷静で的確な判断なんだ! アタ……いや、違うけど”””
雷牙はその判断の速さに舌を巻いた。 勿論、雷牙もレラも、とっくに退避は終えている。
「うまいな。 この状況下で、判断力が落ちないとは、大したもんだ」
「どうも。 ところで、そろそろ正体を明かす気になったかい? ルチルを守ってくれたのは見てるから、味方ってことだけは信用してるけど」
「あぁ。 時間がない。 手短に語るぞ」
「俺はライガ。 六道、雷牙だ。 偶然迷い込んでここに出くわした。 で、とっさの判断で貴様らの側につくことにした。 今はそれで十分だろう」
「GRRRRRR!!」
雷牙が、簡潔に自己紹介をしている間に、ジードの部下が二人ほど食われた。
本音を言えば、この女のことにも興味はなかったが、自己紹介をする程度には、理性はあるのだ。 純然たる殺意と、理性。 雷牙の中には、その二つが奇妙に同居していた
「そうかい。 アタシはレラ。 レラ・バニング。 レジスタンスのリーダー。 そこにいるのはレジスタンスの兵士さね」
「……そうか。 !?」
KABOON! 爆音が響く。 山の主が火の玉を放ったのだ。 炎が直撃した兵士は、一瞬で黒焦げになって即死! ナムサン!
「アイツ、火も吐くのかよ! レラ! あの竜の情報を教えろ、今すぐ!」
雷牙の2メートル横に火の玉が着弾! 爆炎があがる!
「DL8───災害級の怪物、ファイアドラン! この山を支配してる竜で、突進と噛みつき、後、火炎ブレスを使う! それから、鱗は堅いから、関節か急所を狙わないとダメージにならないよ!」
「了解!」
聞き終えると同時に、雷牙は走り出した。
「なにバカなことを! 死にたいのかい!?」
だが、意味もなく走り出したのではない。 雷牙の視線の先には、先ほど助けた少女の姿が映っていたのだ!
「アイツ、へたり込んだまま動かないでいやがる。 このままじゃ食われるぞ?」
奇跡的な幸運にも、褐色肌の少女は狙われてはいない。 その場から動かなかったことが、プラスに働いているのだ。
───だが、兵士を狙った後、山の主は少女を狙うことは間違いない!
KABOON! 雷牙を見つけた山の主が、火の玉を放つ! だが、雷牙はイダテン級の機動力で回避!
「こなくそーッ!」
雷牙「まるでハリウッドだな! アクション映画な感じがたまんねぇぜ! あ、面白いと思ったら、応援してくれよな!」
愛羅「それじゃあ、次回もお楽しみに~」




