第一章その5
「大丈夫か? 襲われてるみたいだったが……」
雷牙はその場にへたり込んだ少女を見下ろしながら問いかけた。 殺意に飲まれて尚、『子供には優しく』という教えは、雷牙の心の奥に根付いていた。
「……は、はい。 だ、大丈、夫」
「そうか」
たどたどしい口調の少女に怪我がないことを確認すると、雷牙は小さくうなずいた。 その手前で、兵士たちは武器を構え直していた。
助けたい? それは嘘だ。 本当は、そんなことはどうでもよかった。 ただ、ここにいる兵士は、罪悪感なく殺せそうだ。 そしてきっと、殺すと気分がいいだろう。
「ひ、怯むな! 一人やられても、数はこっちの方が上だ! 一気にかかれば、 なんのことはない! カカレー!」
副長らしい男の号令で、兵士たちは雷牙へ飛び掛かる。 だが───
「……遅い」
雷牙の姿が忽然と消えた。 そして、次の瞬間、兵士が二人倒れた。
一体、一瞬の間に何が起こったのか? イダテン級のスピードに対応できるニンジャ動体視力が必要だが、それを持っている方なら、今の動きが見えたはずだ。
まず、雷牙はダッキングで槍をかわした。 そして、その勢いで走り出し、すれ違いざまに兵士の首へラビットパンチを叩き込んだのだ!
ドサッ。 兵士は一撃で動かなくなった。 そのまま雷牙は次の兵士へ向かう。
「死ねぇ!」
兵士は短刀に持ち替え、斬り掛かるが、雷牙は紙一重でこれを回避! そのまま右アッパーを兵士に叩き込む。 ゴキン、と音がして兵士の首が上下逆転! そのまま即死! ワザマエ!
ヒュン───。 雷牙は背後からの攻撃を見もせずに回避! そのまま跳躍し、近くの木に飛び移る!
”””あぁ、いい気分だ。 この、血の匂い。 肉の感触。 これだ。 俺が求めていたのは、この、気配だ。”””
闘争、殺戮、蹂躙。 圧倒的な強さを持って、敵を殺す。 それは雷牙にとって目新しいものではなかったが、最悪な気分を晴らすには最適な選択だった……。
”””あぁ、躰が軽い。 まるで重力を感じねぇ。 しかも、背後からの風切り音も聞こえた。 此の躰なら、誰にも負ける気がしねぇ!”””
「チィイ……ッ! まさか、援軍とはな! しかも、これほど強烈な兵士を隠していたとは! これはギラル様に報告しなくては」
ジードは跳び退ると、逃走の体勢に移った。
「ここは一旦退くぞ! 各員、撤退せよ!」
「「イエッサー!」」
兵士たちは、ジードに続いて戦線を離脱しようとする。 だが、そのど真ん中へ、雷牙が着地し、エントリー!
「あ、アンタは、一体?」
先ほどまでジードと戦っていたレラが雷牙に問いかける。 だが、雷牙の返答はそっけないものだった。
「問答、自己紹介は後で良いだろう。 今は貴様らに味方する。 そして……」
一拍おいて、雷牙はジードを睨みつけた。
「子供に手を出すようなやつは、生かしちゃおかねぇ。 死をもって贖え……!」
雷牙「俺ってば、破壊兵器みたいな描かれ方してんなー。 否定できないけど」
愛羅「登場するだけいいじゃん。 アタシなんかもう二度と登場できないのに」
雷牙「あ、後書きはメタ空間だから登場できるんだな。 じゃあ、次回予告とか、頼んだ!」
愛羅「え!? えーっと、もうすぐボス戦入るから、盛り上がるので、お楽しみに~」
雷牙「また次回! 面白かったら、応援してくれよな!」




