序:7~覚醒3~
至らぬところが多々ありますが、よろしくお願いします。
誤字脱字ミス知識などありましたら、申し訳ございません。
目を開けるとタンカーの上にいた。
「気が付いたかい?」
「おい!少年が目を覚ましたぞ!」
身体を起こすと目に入った景色は焼け崩れた軍港の姿だった。
「安静にしなさい」
救護をしてくれている男性に促され肘をついた。
「ペケ!」
俺を呼んだのはミュージィだった。俺の方に向かって走ってくる。
よかった。俺より全然平気そうだ。
「ペケ!!」
ミュージィは俺に抱き着いた。思わず息をのんだ。
「ありがとう…。あなたがいなかったら私…」
「うん…生きててよかった…」
今となっては人を殺したかもしれないと思うことよりも、人を助けることができたのだと思うことの方が俺にとっては大きかった。
ヤヨウ先生には泣きつかれた。
ガタイのいい腕で抱き着かれると苦しかった。
それよりも俺のことをここまで心配してくれる人はリュコフとこの人ぐらいかもしれない。
リュコフも俺の肩を強く抱いた。
兄として誇らしいと囁いてくれた。
俺には感謝状と生活や学問での特別な措置や支援をしてもらえるようになった。
蜘蛛の目のパイロットはほとんど原型をとどめていなかったらしいが、その罪悪感はふと訪れるがミュージィの顔を思い浮かべると自然となんとかなった。
コックピットだけを貫いたことで蜘蛛の目のサンプルが取れたらしく、どうもかなり貢献できたみたいだ。
テストパイロットのミュージィは少し休養のため一時的に軍を離れたらしい。
アデルのルベルフ首相はこの一件以降、着手していた軍部の予算を増大させた。
軍需産業はこの三年で大きく発展し皇下11か国と共に人工島"ガリアン島"にてその権威を象徴するための国際会議に積極的に参加、世界的立場を確立。
テロ組織ヌフェファを世界各国で牽制していく体制が完成され、各地で紛争が激化しようとしていた。
俺は16歳になった。
今はリュコフとともにここガリアン島にいる。
「宣誓!我ら栄光なるアデル国、国民はこの肉体と精神を崇高なるアデル国軍に捧げることを誓います!」
一号生の宣誓に湧き上がる歓声と拍手。去年リュコフも同じことをやった。
2号生主席ヤパン・リュコフはその圧倒的なカリスマ性でみるみるうちに士官学校での地位を築いていった。
俺はというとやっぱりリュコフの腰ぎんちゃくとして傍らにいる。
同じく士官学校に入学したのだ。
俺の第二の故郷アデルは軍事力を蓄え、国際政治の最前線へと進んでいった。
俺は〝押し出された”と言うのが適切だと思っている。
アデルを戦いの発端に見えない力が作用しているのだと。
守りたいものがある。
誰が戦いを望んでいるのか。
軍部の中から見極めてやる…。
俺はそう誓ったのだった。




