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序:6~覚醒2~

至らぬところが多々ありますが、よろしくお願いします。

誤字脱字ミス知識などありましたら、申し訳ございません。

「もう一度左のパネルを」

彼女の言われるままに俺は操作した。

「右肩の電流を操作して。装甲にかかった圧力を一度解除。融解して液状化されるのを少し待ってから再度圧力をかけて。亀裂にディラマイトが浸透すれば応急処置になる。どんなに硬くても相手の銃弾にディラマイトが使われていてはこちらの装甲も疲弊する。狙うは奴のように一点集中するか関節部への攻撃。同じ装甲の同じ条件なら一度腕が機能しなくなると相手に大きなアドバンテージを与えてしまう。こまめに装甲の疲弊を回復させるタイミングを作ってあげる。それさえできてしまえばいつまでも使い続けてあげられる」


怖い。

この身を潜めて回復を待つ合間…敵に見つかれば…。

「大丈夫…落ち着いて」

「なぁ…この戦い…何が目的なんだと思う?」

「きっと開島式に合わせたテロね」

「それはおかしいよ。開島式の日程はまだだいぶ先だろ?」

「フェイクよ。各国が照らし合わせて公表してる日程を各地でずらしたの。だからここでテロが起きたってことは開島式が数日中に行われると嘘の情報を公表された地の人たちの犯行ってことになる」

「…」

「驚いたのはここアデルが狙われるなんて思ってなかった。水中の弾丸列車も開発途中なのに…。大半の警備は他の国に回されてる」

「それさ…本当にフェイクなのか?」

「どういう意味?」

俺になんの確信があったわけでもない。ただなんとなく、自分の中に何か妙な気持ちがあった。

どこか懐かしくもある。思い出したくない感覚。


「例えばだ…戦争をしたい国があって、その理由はきっともっと複雑だからそこまではわかんないけど、アデルを侵略したいとか…どこかの国をテロ組織の親玉に仕立て上げたいとか」

「仕組まれたものだと言いたいの?そんなことあるわけ…」

「どうして?」

沈黙が訪れる。

「右肩の修復完了」

「さっきの話はあとで」

もしさっきの仮説が正しいなら。俺は許せない。

ここアデルは俺の第二の故郷だ。

それをこんな形で…!!


 ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰


 C A U T I O N !!


 ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰


「しまった!!」


気が付くと瓦礫の下にいた。

敵か味方か…砲撃が近くに着弾したのだ。

頭がクラクラする…。焦点がゆっくり定まっていく…。

「ミュー…ジィ…?」

顔が見えなくても分かる。後ろからでも気を失っているのが。

頭を強くぶつけたのか。意識がはっきりしない。このままだと…!


「ごめんね」

俺は彼女の身体を狭いコックピットの中なんとか抱え上げ後ろの座席に移した。

「やってやる…」

ミュージィのヘッドギアを預かる。

「APJ-012ボナパルト・タイガー…?これがこの機体の名前…。破損状況を教えてくれ」

AIのアナウンスが答える。

「現在各部で装甲の破損と亀裂を確認。およそ65%のダメージを受けています。装甲を回復させますか?」

「YES!」

「回復まで20秒」


静寂が過ぎる。遠くの方で爆音がするが何事もなかったように俺は死んだふりをした。

本当に生きた心地がしない。誰にも見つかるな。誰にも…。

何かが近づいてくる音がする。

来てる…蜘蛛の目が…!!

気づくな…!

通り過ぎろ…!!


ガシャ…


ガシャ…




ガシャ…!!


ダメか!!

俺たちの機体が持ち上げられる。頭部を掴まれたまま。

あと10秒!!

蜘蛛の目のサブマシンガンの銃口が俺たちに向けられようとしていた。

「ここまでか!!」

咄嗟に機体の身体を捻ると蜘蛛の目は一瞬怯む。しかしその銃口が再びこちらを捕えようとした時、ボナパルト・タイガーの左拳はすでに蜘蛛の目の顔面を捕えていた。


マニュピレーターの弾ける音が聞こえた。左手の回復は間に合ってなかった。もう左手はダメだ。それでも構わない二つの機体が倒れこむ。

時間を稼ぐには十分だ!

腰に仕込んだトリダガーナイフを右手に取ると互いに立ち上がり距離を取る。

互いに銃器を落としている。

空気が張り詰める。

刃先が螺旋状になったこのナイフなら強く突き刺すことができる。

そのまま捩じれば装甲もただでは済まないはずだ。

一撃で致命傷を与えることができるかもしれない。

蜘蛛の目もそれを分かって距離を取ったのだろう。

機体回復まで残り3秒。

あと少しこのまま時間が過ぎて回復してから…!!


蜘蛛の目が動き出す。手首のあたりからナイフを取り出し突き出す!

残り2秒。

今装甲に当たるとここでやり過ごしても戦闘の継続に支障が出る。

ナイフを振り回しながら距離を詰めてくる蜘蛛の目とそれに合わせて身を引きながら躱すことに精一杯の俺はなんとか期を伺う。

残り1秒。

恐らく蜘蛛の目はこちらの考えに気づいてる。

「だったら!」

俺は思い切って踏み込んだ。こちらが回復を目前に時間を稼いでると思うなら…。


「そこだぁああ!!」


 ▰ ▰ ▰【╻╻╻╻❙╻╻╻╻❙╻╻╻╻❙╻╻╻╻】▰ ▰ ▰

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═══AUTO═══

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 ▰ ▰ ▰【╹╹╹╹❙╹╹╹╹❙╹╹╹╹❙╹╹╹╹】▰ ▰ ▰



俺の突き出したトリダガーナイフは蜘蛛の目のコックピットに直撃した。

蜘蛛の目のナイフは頭部の側面をかすめ、その後地面に甲高い音を立てて落ちた。

蜘蛛の目は自立できなくなり地面に倒れこむ。

俺は呆然としてるだけだった。


ビーッ!

突然の警告音に身構えた。背後から敵機接近。レーダーに映りこむ点。

まだ来るのか…!!?

そう思うと意識が飛びそうだった。


一瞬空が明るくなった。

信号弾が発光している。

朝日が水平線から顔を出そうとしていた。

信号弾は朝日より明るく感じた。


あとから聞かされたが、友軍の到着を示すものだった。

気が付いた時にはレーダーから敵機の姿が消えていた。

これもあとから聞かされたことだが敵は水中を移動しているということだった。

それまで各国のパンツァージャケットの中にそのようなことができるものは確認されていなかった。

俺の意識はまるで電源を切ったパソコンのようにフッと落ちた。

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