表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ケータイ落としたぁぁぁぁぁぁ!~それが帰ってくるまで

 私は今日、ケータイを落とした。

 それも長年愛用していたヤツを。


 事の始まりは、あるドーナッツショップで休憩を終え、出てきた時から始まる。

 母親に電話しようとケータイを探していた時。

 違和感に襲われた。


――ない、無いのだ。ケータイが無い!


――あれ、どこいった? 反対方向のポケットか? あれ?


 私はこの時点で、かなり狼狽していた。だって長年使っていた携帯を落とした。件数200件近く登録されているヤツだ。無くしたらヤバイ。


 この時、時刻は午後6時半を過ぎたあたりだった。


――おいおい、いつ落とした。思い出せ。


 最後に使用したのは午後3時頃だった事を思い出す。


 そこから大捜索だった。いった店に引き返し。そして店員に聞く事を繰り返すが――「無いです」という返事が返ってくる

 すぐさま移動範囲を拡大、道に落ちてないか確認するが暗くて見えなくなってくるが何度も捜索。


 しかし、見つからない。

 焦る。


――あれ、これって、もう盗られて悪用されるんじゃ……?


 脳裏に不吉な予感がよぎる。


 もう、この時点でパニックを発症。時刻は午後8時前。


――仕方ない。家に帰って携帯の登録を切る手続きをしよう。


 そう思い、家に帰った。

 急いでバイクを飛ばし家に着く。この時点で時刻は午後8時過ぎ。


――あ~ぁ 親にバカにされるんだろうな……。Holy(くそッ) shit(たれ)!!(※英語は話せません)


 そんな憂鬱な気分になりながら玄関を開ける。


「おかえり~」という母親の声。――が聞こえる。


「帰ったよ~、あのさ~――――」

 この時点で私は言う決意を固めていた。

 とりあえずバイクの鍵を置こうとした時。玄関の物入れに知っている物体があった。


 私の携帯が――ある。


 ええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……、どう言う事???


 なんで、あるの、あれ? 電話あったよね。3時に……これは間違いない記憶だ。


 で――なんである?


 オカシイ、携帯を無くして、それが瞬間移動のように戻ってくる機能を日本は開発したのだろうか?

 そんなオプションサービス入った事など無いが……。

 そうしないと、辻褄が合わない。玄関に置かれているケータイは間違いなく自分のだった。中身をみて登録を確認したが間違いない。


 ここでまた意味がわからなくなりパニック再発。

――掛けた電話が妄想説

――電話が他人のだった説

 などなど――訳のわからない事が頭の中を巡る。


 しかし事態は、すぐに理解出来た。母が来て説明してくれたのだ。


 どうやら、ケータイを落とした事は間違いない。

 それが――家に帰ったら戻ってきたという事だ。

 自分で気がついてから約1時間半の間にケータイは戻ってきた。


 早い、早すぎる。なんでそんな事ってあるの? 何年ぶりに海外から戻ってきたケータイの話があるけど、さっきですぐでしょ、早すぎる!



 ここからは、この事件の全容をお話しよう。――余りにも幸運で間抜けな話しを。


 事の始まりは午後3時からお話だ。

 この時、親から買い物を頼まれていた。その時、電話があったのだ。

「――こう言うモノを買ってきて」

「わかった、帰りに買ってくる」

 ――この時点での約束が事の発端だった。というか、私の凡ミスですけどね。


 それから約2時間後、午後5時頃、家近くのコンビニ辺りで母親の用事を思いだす。

 ――やべ、忘れてた。もどって買わないといけない。

 私は急いで来た道を戻り。近くの複合商業施設へと向かった。

 そう、この時、Uターンしたコンビニの駐車場でポケットからケータイが落っこちたのだ。


 それから――私は買い物をして、少し店を回り、6時近くにドーナッツ店に入っていく事になる。


 その間に――実は5時40分近くにケータイを拾ってくれた方がいたのだ。

 偶々(たまたま)、ケータイを発見。中を開くと母親の名前が浮かんでいる履歴あり。

 そこで―― 迷った末に電話を掛けてくれたのだ。

 “その方”は出た母親にその方は事情を説明し、父親は私のケータイを受け取り行ったのだ。

 そして――お礼を言って帰って来たのだった。


【ちなみに、お名前を(うかが)っても答えてくれなかったらしい。防犯上の理由とか色々考えられるが、こちらは感謝しています】

 

 この時、午後6時だったらしい。


 分かっていただけただろうか――私が気づく前に事件は終わっていたのだ。

 そう、その後6時から2時間の捜索は、ものの見事に無駄だったのだ。

 ある意味、幸運過ぎる出来事。事件は発生前に終わっていたのだ。

 コナン君でも解決出来ないスピードだった。


 おいおい、忘れ物が無くなって帰ってくる率は日本が世界から見ても高いらしい――という話しは聞いていたが。まさか30分以内というスピード解決は凄い。

 日本国民度の結晶という行動に感謝を述べたい。


【ありがとうございます。本当に助かりました】


 私は、現在、この感動をすぐに伝えたくて書いている。

 

 モノを無くしても高確率で帰ってくる日本にいてよかった。

 迷惑をかけた方もいた、その方は名前を名乗らず、お礼もいいと言っていたそうだ。感謝したい。


――明日から、誰でもいいので感謝出来る行動を取ろうと思う。


 ここまで見て下さり、ありがとうございます。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なんでしょうか、優しい気持ちになりました。 パニック小説呼んでいるような焦りと見つかる過程までが、すごい好きな話です。見つかったオチが最高でした(笑) [一言] 凄い奇跡。 それと、もし自…
[良い点] くすりと笑ってしまいました笑 とても面白い作品です。 読みやすかったです [気になる点] ないです [一言] 私も経験が…笑 ただ私の携帯は帰ってきませんでしたが。笑 誰しも携帯を無くす…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ