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世界最優秀民族が異世界にやってきました  作者: mk-3
第二部 伝説の生放送
36/37

ノーマルエンディング

 兵士たちは出口になだれ込む。

 光が見えていようがなんだろうが構わない。

 キムの肉に飲み込まれるよりはマシだった。

 道彦は彼らをぼうっと見ていた。


「……道彦様?」


 道彦はエレインの手を握った。


「決めた」


「道彦様……」


 最後に残った遠藤と山岡が手を振っていた。


「道彦ぉーッ! 帰るぞーぉッ!」


 今がその時だ。

 道彦はもう一度深呼吸をした。


「遠藤。僕は帰らない」


 道彦は断言した。

 道彦はわかっていた。

 何人も殺したのだ。

 もう日本に道彦の戻る場所などない。

 生き延びるまでの殺人だった。

 だがそれを許すほど日本は甘くない。

 社会的に抹殺されて終わりだろう。

 家族のためにも道彦は消えるべきだ。


「道彦……」


「俺が残ることを選択すればこの神殿は封印される。キムもこの神殿に封印されるはずだ。俺はこの世界に勇者を呼ばないようにこの世界に訴えかける。遠藤もこのことを世界に広めてくれ!」


「なんでだよ! 一緒に帰ろう!」


 遠藤が怒鳴った。

 これが永遠の別れになることをわかっていたのだ。


「ダメだ! キムを見ただろう。この世界は危険だ! 俺たちの世界が滅ぼされる可能性がある。それにもう俺は日本にはいらないんだ。なあ山岡さん!」


「そ、そんなことはない!」


「山岡さんは嘘つきだね。帰ったら僕は韓国に引き渡される。運が良ければ刑務所行きだ。韓国べったりの政治家がそう決めたんだろ?」


「……知っていたのか」


「ええ。実況やってたら直接ダイレクトメッセージを送ってくれた人が結構いたので」


「そうかい……死ぬなよ!」


 そう言うと山岡は遠藤の襟をつかむと出口に飛び込んだ。

 キムの肉は出口までは追ってこなかった。

 残ったのはエレインとフィーナ、アリアだった。


「さて、どう閉める?」


 道彦は「自己犠牲」の意味を残ることだと理解していた。


「勇者である事を宣言されれば勇者の墓は閉ざされます」


「わかった。僕は勇者だ!」


 勇者の墓が光る。


 キムはそれを見ていた。

 すでに単細胞生物のようにただただ自己増殖を繰り返すだけの生き物と化してしまい知性はなかった。

 かつてキムだったものは光に触れる。

 すると瓶のようなもに押し込められていた。

 その間も自己増殖を繰り返す。

 だが瓶の大きさは小さかった。

 大きくなりすぎて潰れていく。

 それでも潰れた細胞を喰らいながらキムは増殖を繰り返した。

 キムは勇者の墓で永遠に潰れ、永遠に己を喰らい続ける。

 近くには同じ状態になった肉塊がいくつもあった。

 韓国兵たちはみんな肉塊として閉じ込められ永遠に死と増殖を繰り返す。

 それが彼らの運命だった。



 それは一瞬だった。

 道彦は気がついたらかつて勇者の墓があった場所にいた。


「終わったのか……」


「はい全て終わりました」


 道彦は神には勝てなかった。

 だが引き分けには持ち込んだ。

 人間の身としてはよくやった方だろう。

 それはわかっている。


「勇者の墓は一つじゃないんだろ?」


 一つのはずがない。

 元の世界だけのはずがない。

 支配を考える連中は常に執拗だ。

 少しでも異論を唱えれば抹殺の対象なのだ。

 旧ソ連の秘密警察やポルポト派、北朝鮮など歴史が証明している。


「はい。100以上あると言われています」


「だろうね……残った勇者は余生はなにをして過ごすの?」


「ほとんどは神殿に奉られ、伴侶を得て御昇神されるまで自由に過ごされます」


 つまり隠居だ。


「ゲートの危険性を広めたい。手を貸してくれ」


「御意に」


 道彦はまだ隠居する年ではない。

 生きていくのには目的が必要だった。


「あ、あと、その……」


「なに?」


「手を離してください……」


「ぬおわ!」


 エレインの顔は真っ赤だった。

 アリアとフィーナはそれを見て笑っていた。



 遠藤はいつものように朝食を食べていた。

 あの事件で遠藤は少し有名になったが、事件が終息すると世の中はもっと大きな事件の話題で持ちきりになっていた。


「赤日新聞本社に家宅捜索が入りました! 今回は麻薬取締法ですが、捜査関係者によると破壊活動防止法の適用も視野に入れて捜査が行われるということです」


 あれからマスコミの信用は完全に失墜した。

 調子に乗って殺人までも煽ったマスコミを世間は許さなかった。

 公共放送までも逮捕者の山を築いた。

 テレビというものは過去のものとなり、新聞も過去の遺物になった。

 日本人殺害を煽った議員によって国会の権威は地に墜ちた。

 そのため日本人殺害に手を貸した議員が任期中だというのに議院の許可によって次々と逮捕される。

 マスコミは民主主義は死んだと訴えたが民意はマスコミの死を願った。

 残ったのは一次ソース、つまり事実だけを報道するメディアだけだった。

 一見すると報道の自由が失われたように見えるが、死んだメディアがやっていたのはジャンク情報を与えて世論誘導をすることだけだった。

 そんなものは報道の自由に必要はない。結果として日本の風通しは確実に良くなっていた。

 さらに日本政府は強制送還の理由になる暴力団関係者や犯罪歴のある人間を容赦なく送り返した。

 もちろん彼らは裁判に訴えて日本にいる権利を主張した。

 この裁判は10年裁判になるだろうと予想されている。

 だが犯罪率は目に見えるように下がり景気は少し良くなった。

 少しだけ明るい未来が見えてきた。


 日本が良くなる一方で韓国は地獄だった。

 パコは韓国の大統領として返り咲いた。

 だがその実はアメリカの傀儡政権だった。

 だが日本はアメリカの「韓国の尻ぬぐいをしろ」という要求には応じず、韓国とは醤油の貸し借りもしない関係を望んだ。

 国交を断絶したのだ。

 アメリカは奪うものもなくひたすら差別されたと文句を言う彼の地に心の底からうんざりしている。

 数年で撤退するだろうとすら言われている。

 最近では南北とも中国にすら相手にされていなくなった。

 彼らの地獄はどこまでも続くのだ。


 道彦は韓国から異世界と日本を救った。

 異世界では英雄として扱われているだろう。

 遠藤はそう結論づけた。

 遠藤のゲートは危険であるという意見は世界には広まらなかった。

 人間はそうそう学習しないのだろう。

 次のゲートの開通も無いとは言えない。

 だがそれでも人類はあきらめないだろう。

 あの醜い韓国兵の姿もまた人類の姿なのだから。

 遠藤はいつも考えている。

 あのとき道彦についていったらどうなっただろうかと。


 ノーマルエンディング

ようやくネタバレできる!

実は日本が幸せになればなるほど韓国が不幸になる仕様です。



バッドエンドは「ディストピアエンド」です。

なんだかここ数日でリアル日本がこのルートに進んでいるようないやな感じがします。

ヘイトスピーチ規制とかやるのはいいんですけど、やった結果があまりにも韓国人寄りで日本人の悪口はいいけど韓国人の悪口は許さないだとしたら誰も得しないと思います。

だって韓国人や良心的日本人のふりしてありとあらゆるブログに因縁つけて閉鎖させる活動をすればいいわけです。

一気に憎悪が拡散しますよ。

「テントウムシは韓国人を揶揄する隠語なので韓国人差別です」とか言って小学生の書いたブログを閉鎖させたりとか煽る方法はいくらでもあるわけです。

ありもしない差別を創り出してテレビ番組に難癖付けたりとか、芸能人に圧力をかけたりとか。

ポケ○○や妖怪のやつにまで言いがかりをつけていけばいいわけです。

だってヘイトスピーチ自体が曖昧ですし、ちゃんとした法律ですからコンプライアンスとして強制力があるわけです。

強い法律なら逆手にとって悪用すればいいわけです。

小学生までが憎むようになったら終わりですね。

そもそも彼らがここまで嫌われたのもその手の人たちが暴れた結果なわけです。

押さえつければいいと思っている時点で考えが甘い甘い。

情報戦がわかっていないわけです。



今回は「ビルマの竪琴エンド」です。

坊さんにはなりませんが異世界に残ります。

韓国は不幸になりますが、本来の姿に戻っただけです。



最後のベストエンディングですが、みなさんお待ちかねの「スターシップトゥルーパーズエンド」です。

韓国が一番不幸になります。

「お楽しみ」にと言いたいのですが、明日というか今日も日付が変わる前に帰宅できなそうな気がします。

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