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世界最優秀民族が異世界にやってきました  作者: mk-3
第二部 伝説の生放送
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ノーマル・ベストエンディング 共通部分2

◇ノーマル・ベストエンディング 共通部分2


 パコは何度も何度もカメラに向かってドアップで訴えかけた。


「我々自由と民主主義の側は鈴木道彦と共に戦っています!」


 言葉さえ理解できていたら道彦はパコを殴っていただろう。

 パコは帰国後の暗殺を避けようと手の平返しをしたのだ。

 もちろんパコは政治家である。帰国したらキムの親戚の財閥を解体し、一族全てを晒し者にして糾弾する側に立つつもりである。

 韓国では石を投げつける側にさえ立てば英雄なのだ。

 道彦は内心絞め殺したいと思いながらパコのするままにさせていた。

 パコが醜態を晒せば晒すほど日本も道彦も有利になるのだ。

 道彦が回廊に戻ると教会が神社へと変化していく。

 道彦は確かめるつもりだった。

 勇者秩父は、なぜあんな落書きを残したのだろうか?

 それになぜ、秩父は勇者で水島は賢者なのだろうか?

 そこに秘密があるではないだろうか?

 道彦はエレインに質問をすることにした。


「エレイン。答えてくれ。秩父さんと水島さんは同僚なのかな? それともどちらかが上官なのかな?」


「上官と部下です」


 思った通りだ。

 ここで7割の謎が解けた。


「水島さんは帰ったんだよね?」


「はい。賢者水島様は黄泉国へとお帰りになりました」


 やはりだ。


「どちらが上官……いや水島さんが上官だね?」


「それは……道彦様のご判断に影響を与えるため禁則になっております」


 それが答えだった。

 道彦は理解した。

 本来だったら上司である水島が勇者になるべきだ。

 だが勇者は秩父なのだ。

 残った秩父が勇者で、帰った水島が賢者なのだ。

 考えられることは一つ。

 残ったものを勇者と呼び、帰ったものを賢者と呼ぶのだ。


「わかった。ようやくわかった」


 道彦は何をすべきかを理解した。



 道彦は黄泉、つまり元の世界へと続く穴を目指していた。

 するとフラフラと多国籍軍の兵士たちが歩いてくるのが見えた。

 正気を失ってまるでゾンビのようだった。

 道彦はその中にアリア、フィーナ、それに遠藤を発見する。

 道彦は遠藤の胸倉をつかむと容赦なくビンタを浴びせた。


「んぎゃ! なにしやがる……って道彦……あれ? ここはどこだ?」


「遠藤、お前操られてたんだよ」


「……誰に?」


「門に」


「なんで門が俺を操るんだよ!」


「たぶん……間引きだと思う」


「間引き?」


「ああ……推測だけど門は文明の発展を妨害してるんだ」


「どういうことだ?」


「韓国と同じだ。全ての困りごとの解決を外国というか異世界に委ねてるんだ。自力で解決しなければ成長はない。だけど門は勇者を呼ぶことで徹底的に成長の芽を摘んでいる。俺たちの世界にわざと依存させているんだ」


「なぜその結論になった? おかしいだろ」


「遠藤……この回廊には武器が置いてある。戦車から軍艦からミサイルまでだ……未来の兵器もある」


「……未来も」


「ああ。未来の兵器がある。門が本気になれば俺たちの世界を滅ぼせるんだ。でもしない。なぜか? それが問題だったんだ」


「世界を滅ぼせるけどしない?」


「ああ、しないんだ。そういう機能はないんだ。じゃあ門はなにをさせたいのか?」


「魔王を倒させたいんだろ?」


「勇者の機能はな。じゃあ魔王は……?」


「魔王は……魔王だろ?」


「違う。魔王にも役割がある」


「魔王の役割? お前なにを言ってるんだ?」


「ここからは完全に推測だ。韓国軍は王国を滅ぼして、村を焼き住民を虐殺するために呼ばれたんだ。そのために非論理的で鬱屈が溜まっていて、日本人相手だったら何をしてもいいという連中を呼んだんだ」


「なぜそんな無駄なことを……」


「間引きだ。たぶん王国は文明を発展させる契機になるはずだったんだ。村は偉人が現れる予定だったんじゃないかな?」


「……どういうことだ?」


「この世界を作ったやつはユートピアを作ろうとしてたんだ」


「は?」


「武器を取り上げ、農業をさせ、破綻しそうになったら外部から脅威を招いてリセットする。ゲームと同じだ。その装置が門だ。そして門と勇者を宗教化してエルフを支配しているのがこの世界だ」


「い、いや……道彦……それはさすがに飛躍が過ぎるんじゃ……」


「アリア、フィーナ! それにエレイン! そうだよな!?」


 三人娘は下を向いた。

 道彦の言葉に思い当たる節があったのだろう。


「い、いや、それでも私たちは幸せで……」


 アリアは否定する。


「だろうな。僕たちがとやかく言うことじゃない。でも僕たち異世界人にも情報をくれるべきだ」


「そ、それは決まりでは……」


「今は考えなくていい。僕たちは自分たちの害にならない限りにおいて文化の多様性を認めているから、そういう考えもありだ。それにもうこのやりとりは放送されているんだ」


 道彦は断言した。

 おそらくここまでやったら道彦の存在は門にとって有害だろう。

 邪魔をしてくるはずだ。

 これからは門との心理戦なのだ。

 そしてそれは現実になるのだ。



 キムは目を覚ました。

 途中であまりの痛みに気絶したようだ。

 脇腹の感覚はすでにない。

 だが死なないのという確信があった。

 あの日本人、鈴木は殺すことなく自分を行動不能に至らしめたのだ。

 運のいい男だ。

 なぜ神は韓国人にばかり試練をもたらすのだ。

 どうして日本人だけが優遇されるのだ。

 許せない……

 日本人だけは許さない。

 そして朦朧とする意識の中、キムの頭に声が響いた。


「お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた……」


 呪い?

 どういう意味だ?

 韓国人は常に呪われている。

 日本が近くにいる。

 ただそれだけで呪われているのだ。


「お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた。お前は呪われた……」


 うるさい黙れ。

 そんなことはわかってる。

 神など死んでしまえ!

 そう毒づいた瞬間、キムの体が痛くなった。

 それは焼けるような痛みだった。

 まるで熱で皮膚が溶けていくようだった。


「痛い! 痛い! 痛い! 痛い!」


 ナイフで刺されたことだけでも人生の中で最大級の痛みだった。

 徴兵されたときだってこんなに痛い思いはしなかった。

 なぜだ!?

 なぜ自分だけがこんな思いをしなければならないのだ!

 苦しみはさらに加速した。

 本当に皮膚が溶け、次に歯が抜ける。

 そして溶けた皮膚の下から新たな皮膚が現れ、抜けた歯の歯茎から牙が生えてきた。


「どうして? どうして? どうして俺ばかりが!!!」


 キムの心の叫びは間違っていた。

 この時、同じ思いをしていたのはキムだけではなかった。

 異世界に侵略した韓国軍の兵士、その全員がキムと同じ状態に陥ったのだ。

今回は韓国ではなく、共産主義の影響を受けたユートピアを出しました。

世界各地にこういったユートピアを目指す文明全否定の団体が存在するらしいです。恐ろしいものです。


さて都知事の計画が波紋を呼んでいるそうですね。

ああいうのはどちらのためにもならないので、韓国側からも非難すべきだと思います。

桝添さんが追い込んでいるようにしか……

学生時代に教師にえこひいきされすぎて孤立する子どもというか。

教師は善意なんですけどその子が成長をする機会を奪ってしまって、しかも孤立を招くというドSでは考えつかないほどの残酷な手です。

こういった行政などのフェアじゃない扱いが嫌われている原因なのに。


それと明日は仕事の関係で投稿できないかもしれません。

物語はあと数話、10万字くらいで終わる予定です。

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