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世界最優秀民族が異世界にやってきました  作者: mk-3
第二部 伝説の生放送
27/37

情報戦

 キムに騙されて日本に核攻撃をしようとしている北朝鮮は完全にピエロだった。

 数十年、数百年先の未来に自分たちが創り出す未来では、すでに陳腐化したであろうゴミを手に入れるために滅亡の道を歩んでしまったのだ。

 キムにとって北朝鮮などどうでもよかった。


 キムの計画はそもそも人間の考えではなかった。

 門の向こうの人間が日本人だという屁理屈を考えたのはキムだ。

 キムは虐殺が起これば現地人が勇者を呼び出すことを知っていたのだ。

 バカな国の上層部は現地の共通語が日本語というだけで陳腐な嘘を簡単に信じた。

 勇者を呼び出すために嘘を信じた国民のナショナリズムを利用して虐殺を行わせるのは簡単だった。

 タガの外れた人間の姿をニヤニヤしながら眺め、数ヶ月がかりで捕らえるつもりだった。

 北朝鮮は介入する国際社会の足止め役のつもりだった。

 だがさすがは勇者。まさか国家相手に情報戦を仕掛けてくるとは思わなかった。

 計画を急ぐ必要があった。

 首都を攻め落とし道彦の味方になりそうな勢力を潰しパコを囮にして勇者をおびき出したのだ。

 ヒロイックファンタジーやアバターのように現地人の仲間など作らせない。

 最後は勇者とキムとの戦いに持ち込むのだ。

 キムは負ける気はしなかった。

 なぜなら相手は愚かな日本人なのだ。



 日本の逆襲は韓国全土で一斉に起こった。

 突如として全てのコンピューターのインターネット接続が切れたのだ。

 金融、証券、海外向け行政サービス、空港までも。

 その全てが一瞬で停止した。

 そして全てのテレビ放送が電波ジャックされ、全てのチャンネルでCNNニュースが流れ続けた。


「な、なにが起こった!」


 国防長官が怒鳴った。

 軍の上層部は慌てていた。

 いや、いまや完全にパニックを起こしていた。

 インターネットの不通はインフラだけではなかった。

 国防のラインまで切断されたのだ。


「ちゅ、中国のラインを使え!」


「中国のラインも切断されました!」


「じゃあ、アメリカは!?」


「もう切断されてます!」


「き、北は……」


「北も同じ状態です!」


 なぜだ?

 世界各国の政府は財閥が賄賂で抑えているのではないか?

 どうしてこうなった?

 道彦の安っぽい演説はアメリカや日本だけを動かしたわけではなかった。

 道彦の存在によってとうとう中国が動いたのだ。

 いや動かざる負えない状況に追い込まれたのだ。

 善意ではない。

 安っぽいヒューマニズムでもない。

 それは恐れだった。

 今回はいくらなんでも洒落にならない。

 韓国の仲間扱いはされたくない。

 他人のフリをすべきだ。

 全力で殴って仲間ではないことをアピールしなければ莫大な不利益を被るのだ。

 彼らは自己中心的で、10億もの国民を食わせなければならない立場で、そして民族問題を抱えていた。

 だが同時に彼らは世界有数の商人だった。

 商人は損を嫌う。

 損切りのために手の平を返したのはそれこそ一瞬だった。


「なぜだ! 日本を滅ぼすのは世界の望みではないのか!!!」


 彼ら韓国人の大好きな孫子は繰り返し「変化」の重要性を説いている。

 何か一つのパターンに陥るものは敗者に成り下がるのだ。

 当事者世代だけではなくひ孫の代まで反日に凝り固まり周りが見えていなかった彼らに未来はなかった。

 これこそが反日の結果だったのである。


「も、もうダメです……中国まで敵に回してしまった……絶対に勝てません……」


「日本め! 世界中を買収しやがったな!」


 国防長官が叫ぶ。

 だが彼の叫びはまだ早かった。

 これは地獄のはじまりに過ぎなかったのだ。


 商人は儲けにならなければ手の平を返す。

 それは当たり前のことである。

 特に多国籍企業は特定の国への忠誠心はない。

 儲けられれば特定の国とパートナーになり、儲からなければ国を捨てるだけだ。

 この場合も同じだった。

 多国籍企業は経済崩壊をまるで最初から知っていたかのようなタイミングで指摘。

 本社を海外に移すことを宣言した。

 韓国法人は解散、全従業員は解雇が電撃戦のごとく決定される。


 お前らには時間すら与えない。

 これが世界の答えだった。

 韓国は北朝鮮の核を背景に日本を脅して九州全土を手に入れる予定だった。

 計画では一週間以内に日本国内の協力的勢力と組んで日本を降伏させる予定だった。

 だがその手はもう使えない。

 国内のインフラが崩壊した今となっては一週間すら戦闘を継続することはできない。

 もう終わったのだ。

 日本に辿り着く前に韓国は終わったのだ。

 核は神の恩寵。

 反日作品によく登場するフレーズである。

 だが実際は悪魔のささやきだった。

 悪魔の指さす先は地獄に続く道だったのだ。


「お、俺は悪くない! 悪くないぞおおおおおおッ!」


 国防長官は涙を流した。

 どうしてこうなった?

 私は世界で一番不幸だ!

 なぜだ? なにが間違っていた?

 嘆き悲しみ涙を流し、子どものように駄々をこねる。

 だが大人である国防長官はそれだけではなかった。

 同時に薄汚い陰謀を張り巡らせる計画をも考えていた。

 どうやってキムに罪をなすりつけるか。

 どうやって自分は戦後に起きるリンチで生き延びるか?

 誰を親日派にして蹴落とし、誰を味方に引き込むか?

 涙を流しながら一心不乱に考えていた。


 それは韓国国民も同じだった。

 自分たちは悪くない。軍に脅されてしかたなくやったのだ。

 抵抗勢力もいたし、それが民意だ。

 それは日本軍がアメリカに負けた時、いきなり戦勝国と言いだしたのとよく似ていた。

 そして彼らの底の抜けた行動力によって売国奴狩りというリンチが早くも始まった。

 彼らは敗者には容赦がない。

 石をぶつけ刃物で襲撃し家を燃やす。

 まるで襲撃をすることで自分たちが免罪されるかのように彼らは暴力に及んだ。

 それは韓国政府を動かすには十分なほどの狂気だった。



 韓国製の軍用にカスタマイズされた軽トラックで遺跡に向かっていると、記者や赤十字、国連の関係者、NGO関係者に扮して潜入した各国の兵士たちが次々と合流していった。

 そんな状況を見たせいか遠藤は世界を救う勇者の顔をしていた。

 いや遠藤だけではない。

 その場に集まった兵士たちも世界を救う勇者のように振舞っていた。

 確かに韓国のやったことは悪いし、水爆なんて誰も得をしない。世界中がめちゃくちゃになってしまう。

 やっつけるべきだし、これは世界を救う最後のチャンスなのだ。

 だが道彦だけは冷静だった。

 冷静に、冷酷に事態を正しく理解していた。


「エレイン……感動させるんだ」


「どういう意味ですか?」


 使い方を習ったばかりの業務用ハンディビデオカメラにビニールテープを巻き付けながらエレインが聞いた。


「今までは韓国の悪行を世界に伝えた。その結果、一時的に虐殺はやんで異世界からの援軍も来た」


「はい。最初はなにをやっているか分かりませんでしたがさすが勇者様です」


「だけど今回は怒りではダメだ」


「なぜですか?」


「恨みを買う。彼らは恨みを忘れない。千年恨み続ける民族だ。その理不尽さは日本人ならよく知っている」


「でも……勇者様。魔王を倒さずにどうやって世界を救うのですか?」


「韓国軍……魔王軍を切り崩す。嘘の情報を流して感動させ仲間に引き込む……だから勇者として頼みがある。敵討ちを忘れてくれ。報復はなにも生まない。みんなも勇者になって欲しい……」


「ゆ、勇者様のご下命とあれば……」


 エレインは泣きそうな顔をした。

 道彦だって無茶なことを言ったのはわかっている。

 だが二つの世界を救うにはこの計画しかないと自信を持って言えた。


 それを聞いた遠藤が口を出してくる。


「どういう意味だよ道彦! 悪の韓国を倒すんだろ?」


「違う。どんな悪い国であろうとも追い詰めちゃいけない。全てをキムになすりつけるんだ。ドイツと同じだすべてヒトラーに罪を被せるんだ」


「だからそのためにパコ大統領を救出するんだろ?」


「違う……その前に情報戦を挑む。山岡さん。海外の通信社と連絡は取れますか?」


「ああ、君ならそう言うと思ってたよ。で、どうするんだい?」


「韓国人に逃げ道を用意します。これによって彼らは瓦解します」


「なんだかよくわからないが、向こうと相談してくれ」


 山岡が道彦へ携帯を渡す。


「軍用だけど盗聴されてるから気をつけてね」


「いえ、盗聴させるんです」


 道彦の目は自信に満ちあふれていた。


 それから約一時間後、世界中である番組が一斉に報道される。

 それは道彦のライブ映像からはじまり、多国籍軍が水爆を止めるために死地に赴くことを報道する内容だった。

 BGMは壮大にして心に響き、世界平和のために戦う兵士たちの映像が流れ、兵士たちが家族と撮影したビデオまでもが流れる。

 兵士にも生活があり、誰かの子どもで、誰かの親である映像を流したのだ。

 それによって受け手は戦争は遠い異世界で怒っているものではなく、ごく近く近所の住民が戦っているかのように錯覚した。

 感動と怒り、正義という圧倒的気持ちの良さが視聴者の心をわしづかみにする。

 道彦は狡猾だった。その場にいた誰よりも狡猾だったのだ。


 どこまでも感動的なその映像。

 異世界と自分たちの世界を救わんとするヒーローの映像。



 そこに韓国軍も混ぜたのだ。



 韓国軍は拉致された大統領を救出しようとする正義の味方として過剰に演出した。

 まだキムの傘下であるにもかかわらず、多国籍軍側として報道したのだ。

 それにより道彦は韓国軍に選択を迫った。


 賊軍か?

 それとも多国籍軍に加わるか?


 滅亡か?

 生存か?


 それは明らかに脅迫だった。

 道彦は国家を脅迫したのだ。

 韓国は震え上がった。

 ネットの切断により頭を押さえつけ今度はナイフを首に突きつけて言ったのだ。


 『仲間になれ。断れば殺す』と。


 それは韓国人にとっては何よりも屈辱だった。

 子どもに出し抜かれるのは日本人の奴隷になることの何倍も屈辱だった。

 だが差し向けられた悪意しかない救いの手を取るしか選択肢は残されてなかった。

 恐怖にかられた国民は制御不能だったし、なにより自分より強い相手と戦うなど韓国の常識では考えられなかったのだ。

 韓国は素早かった。

 放送が流れて30分後に国防長官が反乱首謀罪で逮捕された。

 さらにその30分後、韓国の裁判所はキムへ不法戦闘継続容疑での逮捕状を出した。

 韓国人は勝ち馬に乗ることを選択した。

 こうして彼らは道彦の前に屈したのである。

そういや

「竹島は日本固有の領土」教科書に韓国反発

というニュースを見たのですがテラ侵略者。


業務連絡

藤ゴンの新作に突撃するアホども。

来るなら私のところに来い。

相手してやるから。


感想の返信コーナー


>ノーベル賞


あのくらいの規模の国なら平和賞以外で獲ってもおかしくはないんですよね。

台湾も化学賞獲ってますし。

彼らがバカにしてるアフリカでもセネガルとかは文学賞2人出してますし。

スポーツでも同じですけど彼らって手段を選ばなすぎなんですよね。


今回のお話の件


実は今回のお話はそれこそファンタジーです。

世界中に非難されている映像をぶつけられたときに彼らはどう動くのかと考えると、「日本が悪い」からの壮絶な魔女狩りかなあと思います。

彼らの反日はすでに宗教なので、鬼郷を見て疑問に思わないわけです。


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