イルボンを殺せ!
2016年。
韓国済州島。
突如として異世界への門が出現した。
なぜか韓国政府は日本の右翼主義者の謀略だと認定。
戒厳令を布告した。
非常事態宣言も戒厳令も効果は憲法の一部分の停止である。
なぜなら国家存亡の危機の中では国民の財産や権利が足かせになることがある。
例えば救助の際に家や財産を破壊しなければ救助がままならない場合やスパイやテロリストを逮捕せずに排除することなどである。
消防などは災害時に緊急の場合があるときは建物を含めた他人の財産を壊すことを許されているが、それはあくまで常識の範囲内での例外であり、無制限な権限を与えられているわけではないし、範囲は法律で事前に決められている。
非常事態宣言も大まかには同じ趣旨で、「今は特別ですよ。」という前提で、国民の権利を制限する幅を大きくしている。
大規模な災害などの救助でいちいち法の定めた手続きに従っては被害が増大してしまうからだ。
一方、戒厳令においては救助を含めた軍隊の活動という目的で広く一般的に憲法が制限される。
憲法は国の根幹をなす法律なのでつまり戒厳令とは軍隊による国家権力の掌握である。
(建前上軍隊が存在しないことになっている日本では戒厳令は存在しない)
この戒厳令によって、最高司令官である大統領の任期は無制限に延長され、軍は議会を通さずに大統領の命令であらゆる作戦を実行することができるようになった。
実質的な軍のクーデターである。
さらに外国にはアメリカと中国の間をフラフラしつつ両者を争わせて、両国から自国のみでの探索の許しを得た。
「もういい。帰れ」を許可と受け取ったのだ。
国連には「アジアのユダヤ人を差別するのか!」と意味不明な恫喝をし、同時に大量の賄賂を配って黙らせた。
国民用の年金はなくなったのは気にしない。
どうせ人の金である。
異世界から得られる利益でどうにかなるだろうと韓国政府は考えた。
これによってアメリカにも中国にも遺恨を残したが、それが原因で数年後に起こる国難を想像できるほど彼らは想像力が豊かではない。
彼らにとっては時とは単に瞬間が連続しているだけなのだ。
瞬間は過去にも現代にも繋がっていないのだ。
こうしてノープランのまま韓国は異世界への探索に乗り出したのだ。
門周辺。
その開門を今か今かと待ちわびる軍団がいた。
韓国特別徴兵隊。
海外同胞と無職の国民、それに犯罪者で作った軍団である。
韓国政府は異世界への探索を世界に発表した。
が、発表した後に気づいた。
人手が足りない。
ここで人員を割けば北に対抗できないことをこの段階でようやく気づいたのだ。
シンクタンクの計算がいいかげんだったのだ。
人員も予算も装備も弾薬も何もかも嘘だったのだ。
まず弾薬は日本から巻き上げた。
差別と慰安婦と過去の歴史問題を声高に叫べば日本政府は言うことを聞いた。
こういうものにうるさい日本の野党は金で黙らす。
弾薬を買うよりはずっと安い。
これで弾薬の心配はなくなった。
問題は人員である。
焦った韓国政府は特別徴兵を実施。
犯罪者や無職者で軍を編成した。
海外工作に資金を使い果たしたため訓練などは一切行わない。
さらに財閥からも資金提供を受けたため財閥が軍の上層部に人を送り込むことをごり押しした。
しかたなく司令官を財閥が用意した人材に変更した。
名声を欲しがったド素人であるから危険性はないだろう。
この時の上層部は見込みが甘かった。
その結果、軍服に企業CMがプリントされた異常な集団ができあがった。
もうこの時点で期待ができない。
さらに韓国軍が誇る数々の不良品装備を押しつけて異世界に送り出したのだ。
在庫一掃である。
こうして冬期オリンピックのように初手からグダグダな探索が始まろうとしていた。
そんなある意味被害者の彼らは目を血走らせていた。
彼らはある噂を聞きつけ興奮していたのだ。
それは犯し殺し焼き放題という、21世紀でまともな教育を受けた人間なら眉をひそめる内容だった。
だが、そのまことしやかにささやかれる噂は彼らの本能を刺激した。
ベトナムで味わった最高の体験。
殺し犯し焼き尽くす。
それこそ彼らの本能なのだ。
このとき彼らの多くはすでに勃起していた。
本来なら一生使うことのない9㎝の如意棒を硬く硬くしていたのだ。
そして門が開く。
門の外にはネットゲームでは味わえない最高の体験が待ち受けている。
その興奮が全体を包んだ。
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
誰ともなく叫びはじめた。
興奮は瞬く間に全員に広がる。
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
全員が制御不能の殺意に興奮する中、司令官が壇上に現れる。
財閥のグループ企業で最高責任者を務めていたキム・マルチャンだ。
財閥総帥の甥でこれまでコネ入社、コネ出世、コネ経営で生きてきた。
まさに財閥版ロイヤルファミリーである。
そしてそのキャリアをさらに華美にするためだけに司令官就任をごり押ししたのだ。
兵役も拒否した彼は軍事のことなど何も知らない。
韓国で大人気のアメリカ製リアルタイムシミュレーションのように兵が動いてくれると思っているレベルだ。
彼には兵たちがボードゲームの駒にしか見えていなかった。
そんな彼は威厳のある声で静かに、だが全員に聞こえるように言った。
韓人は営業とイメージ戦略だけは得意なのだ。
「この門の外から攫ってきた奴隷からわかったが門の中の文明レベルは極めて低い。水車も作れないレベルだ」
日本統治時代まで水車を作れなかったことは完全に忘却の彼方、彼はどこまでも高い目線で言った。
確実に勝てる。
それは兵にとって重要なことだった。
強いものには弱く、弱いものには能力を超えた強さを発揮する。
それが韓民族である。
そして彼らに司令官は決定的な一言を放った。
「この門の外にいるのは日本人だ」
途端に『殺せ!』コールが大きくなる。
日本人を抹殺して奪われた約束の土地を取り戻す。
奪った憶えもなければ、元寇などを考えれば侵略者は朝鮮半島のような気がする。
ところが韓国では反日は国教であって反論は許されないのだ。
反論などしようものなら最悪の場合、殺されても文句は言えないし、逮捕すらされる。
なぜなら彼らは幼いときから日本人を殺すことだけを考えて育てられる。
悪いことはすべて日本人のせい。
景気が悪いのも、災害も、事故も、事件も、自分が不幸なのも、自分が惨めなのもすべて日本人のせいである。
それが彼らの信仰なのだ。
結果として彼らは日本人の不幸は全力で喜ぶ。
震災直後の彼らの喜びっぷり、サッカーワールドカップでの「日本の大震災をお祝いします」の横断幕は記憶に新しい。
これらは第3国からも「人間失格」と言われるほどである。
※(https://www.youtube.com/watch?v=TG3nvJQSXI4)
※(http://blog.livedoor.jp/janews/archives/6111284.html)
要するに韓国では一般的に日本人には何をしてもいいというのが反日という宗教の教義であり、常識なのである。
なので細かいツッコミなどは疑問には思わないし、もし疑問に思っても口に出したら弾圧されるので黙っているのである。
それにみんなが楽しんでいるのだ。
自分一人だけが悩むのは損である。
よくわからないけど日本人への嫌がらせは楽しい。
これこそ彼らの行動原理である。
ゆえに彼らは心から歓喜していた。
そもそも門の中は明らかに異世界で、日本人はいないはず。
そんな常識的なツッコミはここでは通用しない。
そればかりか国家反逆罪の容疑でその場で処刑されても文句は言えない。
なにせ夢にまで見た日本人の抹殺なのだ。
現実では逆立ちしても叶わない夢を思う存分味わうことができるのだ。
反日という宗教、正義の側という道徳、そしてなによりも暴力を好む民族性を要因として脳内麻薬が生産され、究極のエクスタシーが彼らを狂気に追い込んだ。
そしてそんな狂気混じりの歓声の中、門が開いていった。
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
そして異世界は世界最悪の軍隊の本気を知ることになる。
◇
門開通から24時間後。
ソウル市内。
ホテルで二人のオークが交尾をしていた。
「ホラホラホラホラ」
「ブッチッパ!」
「で……出ますよ」
「ンアッー!」
野獣先輩の如き雄叫び。
パコパコすることすでに8時間。
コンドームとバイアグラの空き箱が床に散乱していた。
そしてまた事に及ぼうとする二人に無粋な邪魔が入る。
それは携帯電話の着信だった。
着信の相手は広報官。
男は満足そうに女を離し、女は仕事の終わった慰安婦のようにけだるげに電話に出た。
「あ? てめえなに邪魔してんだよ! パコパコの邪魔しやがると反逆罪で刑務所にぶち込むぞ!」
電話を取り怒鳴り散らした女。
彼女はパコ・グニ。
韓国の大統領である。
すでに8時間ものパコパコを経た身だがまだその火照った体は未だパコパコを求めていた。
パコには定期的な情事が必要だった。
特に国家を揺るがす非常事態の際には体がどうしようもなくほてるのだ。
実際この日も、数十年間もアメリカ軍に作戦指揮まで任せて作戦立案をしたこともない軍部を放置してきた。
欠陥だらけの戦車、欠陥だらけの自走砲、マンホールに撃墜される戦闘機、真っ直ぐ航行できない駆逐艦。
PKOで「市民生活の支援しかしてないから」と弾薬の確保を忘れる指揮官、月の街などの貧民街から『金持ちになれる』と騙して連れてきた無教養な捨て駒たち。
今ごろ現場は混乱の極みだろう。
だが彼女はそんなことは知らないし、想定外である。
なぜなら韓民族は世界最優秀民族なのだから。
「はあ? 意味わかんねえよ」という言葉は無意味である。
なぜなら
意味などないからだ。
これは信仰の問題である。
神の存在を証明しろと言っているようなものである。
もちろんごく一部の韓国人は異世界探索の危険性に気づいていた。
だが彼女を批判するものはいなかった。
なぜなら大統領のパコパコを邪魔するものは親日派として国家反逆罪で逮捕。
外国マスコミでも容赦はしない。
大統領に対する名誉毀損で逮捕だ。
それが韓国のルールである。※
※(http://www.sankei.com/main/topics/main-26704-t.html)
「大統領。済州島に異世界の兵が現れて死者多数。すでに100人以上が死傷しています。すぐに帰ってきてください」
「ふ、ふははははは!」
広報官の言葉を聞いたパコ・グニが突如笑った。
なぜ彼女が笑ったのか?
その笑いの多くは韓国特有の文化に占められていた。
被害者は偉い。(例外として日本だけは被害者にならない)
これが韓国、いや韓半島の国家的宗教である。
被害者は絶対的に偉く、加害者にはなにをやっても許される。
しかも一度被害者になれば千年被害者になることができ、加害者に無制限にたかることができる。
ちなみに千年というのは永遠という意味である。
「くくくくく。これで大義名分を得た……おい。今から記者会見をセッティングしろ! 一億人が殺されたと発表するぞ!」
このとき韓国の総人口は5000万人程度という客観的な数字は意味をなさない。
彼らの発言には論理性や根拠は必要ないし、数字は常に間違っている。
あくまで彼らの発言は感情であり、イメージでしかない。
この場合、論理的な反論は意味をなさない。
彼らにとって被害者は神であり、その神の発言に逆らうことは宗教的に許されないのだ。
「それで……異世界の住民はどうなさるので?」
「ふふふ……」
大統領は不敵に笑う。
「皆殺しだ!」
そう言うと大統領は電話を切り、ベッドに寝そべる愛人に寄り添った。
「本当に皆殺しにするのかい?」
「ふふふ……なあに皆殺しにはしないさ。だが異世界は日本人に奪われた領土だ。なにがあっても取り戻させてもらう。さて、もう一発したら記者会見だ」
こうしてよくわからない理由で異世界の滅亡が決定した所から話は始まる。
この回だけ嫌味を書きたかったのでギャグを入れてます。