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世界最優秀民族が異世界にやってきました  作者: mk-3
第一部 世界最優秀民族が異世界にやってきました
16/37

三人娘の自己紹介

 さて朝の放送が終わると感想が書込まれる行く。


 >ところでさ後ろの娘たちを紹介してよ。


 とある書き込みが目にとまった。

 忘れていた。

 自分のことで精一杯だったため道彦はエルフの娘たちを紹介するのを完全に忘れていた。


「みんな、僕が撮影するから自己紹介して」


 三人はキョトンとしていた。

 道彦はこれまで感想を持つ暇すら与えられていなかった。

 冷静に見ると全員が芸能人よりも美形なのだ。

 道彦は思わず目が合わないようにしてしまった。

 そんな三人は自分たちが注目されているとは思ってもいないのだろう。

 特にポーズを取ることもなく自然体だった。


「世界中のみんなが知りたがってるから」


 まずはフィーナがスマホの前に立った。

 フィーナは薄い女性だと道彦は思った。

 残念なことにスレンダーという単語は出なかった。

 10代男子のボキャブラリーなどこの程度だった。

 フィーナは人のよさそうな笑顔で微笑んだ。


「んじゃ、名前は?」


「フィーナです」


「好きな食べ物は」


「お団子です。あんこのが好きです」


(餡団子あるのか……)


「職業は?」


「チチブ神殿の巫女です」


「チチブ?」


 それはどこか聞いたことのある語感を持つ単語だった。

 とてつもなく嫌な予感がする。


「はい。今から70年ほど前にこの地に降臨され神器『センシャ』で魔王ベイテイを討伐された勇者チチブ様と賢者ミズシマ様をお奉りする神殿です」


 日本人だ。

 道彦は確信した。

 そして同じ立場として異世界で何が起こったかが手に取るようにわかった。

 おそらく魔王はアメリカ軍の兵士だ。

 おそらく異世界に放り出され言葉も通じずに路頭に迷ったアメリカ軍の兵士が略奪でもしたのだろう。

 対して日本人は現地人と言葉が通じるので勇者としてアメリカ人を倒したに違いない。

 道彦はふとした考えが頭をもたげた。

 もしかしてこの世界は困ったことが起きると道彦の世界から使えそうな人材を呼び出すのではないだろうか?

 それは拉致というものではないだろうか?


 >日本人じゃね?

 >日本人

 >なんで日本人が

 >つか米帝って……


 気づかれた!

 慌てて道彦は話を変える。

 拉致をしたという印象を与えるのはマズイ。


「はい。アリアさん自己紹介!」


「あ、はい」


 アリアは体育会系っぽい女性だ。

 なんとなく全体的に仕草が雑だ。

 だが凄い。

 どこを見ての感想なのかは道彦の名誉のために黙っていよう。


「お名前は?」


「アリア」


「好きな食べ物は」


「肉!」


 まさに見た目通りだ。


「お仕事は?」


「フィーナと同じ巫女です。籍は同じ敷地内のミズシマ神殿だけどね……です」


 やはりところどころ雑な本性が垣間見える。

 だがその仕草はネットでは「アホ可愛い」と好印象だった。


「次はエレイン」


「あ、はい」


 おしとやかそうな線の細い美人が画面に映った。

 カメラマンと聞いて豪傑のような女性だと勝手に思っていたせいかコメントが「爆発しろ!」で埋まる。

 フラグなんて立たねえよ! なにこの理不尽と道彦は文句を言いたいところだが我慢した。


「カメラマンをやってもらってるエレインさんです」


「エレインです」


「好きな食べ物は?」


「あ、甘いものなら」


「ご職業は?」


「あ、あの……その……」


 なんだか歯切れが悪い。

 もじもじとしている。


「道彦様の巫女だよ」


 アリアのその顔は意地の悪い笑みを浮かべていた。


「どういうこと?」


 道彦は間の抜けた顔をしていた。


「アリア!」


「あ、あの一時休憩します」


 道彦は中継を止めた。

 アリアはちゃんとそれを待っていた。

 わかってやっているのだ。


「エレインは元チチブ神殿の最高位の巫女で今は道彦様の巫女だ。あとはわかりますね?」


 わかるかよ!

 と心の中で毒づいた道彦だががエレインと目が合うと恥ずかしくなって目をそらした。

 エレインも下を向いていた。

 この休憩は「リア充め!」という怨嗟を一瞬だけ産んだが、「いやいや、銃で撃たれて傷が痛くてマリファナ食べてる状態で何ができんのよ」という冷静な言葉で荒れることはなかった。

挿絵(By みてみん)


心温まる応援メッセージありがとうございます!


※次回から覚醒剤が出てきます。


どこかのサイトで会話率11%と書かれていたのでちょっとまずかろうと思い入れて見ました。

甘酸っぱい展開はたぶんありません。

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