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実録・バブルの黙示録  作者: 西園寺金持
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にわか不動産屋横行

昭和61年には、首都圏では都心部の商業地を皮切りに、徐々に土地の転売が盛んになって来ました。映画「マルサの女」でも引用されましたが、「将来、東京がアジア一番の金融市場になりオフィス需要が増大する。」と、これは完全な後付け理由であるが・・誰が仕掛け、時流を創ったかは不明だが、既に土地買い漁りに突入し始めていた。ノンバンクの与信基準は年々緩和され、物件の担保余力あれば、個人の主婦や年金生活者にも融資する異様な状態に為っていた。鎌瀬、仕込み、出来レースで個人客を勧誘する仲介業者も暗躍する様になった。忘れられない顧客の一人が「Y田夫人」である。J流通社に出向していたM井銀行出身のB場常務に紹介された50代のご婦人は、内閣官房付の官僚夫人で、経堂に100坪の土地を購入したがので、決済残金を融資して欲しいとの要望であった。

早々に、購入物件を調査したところ全面道路が9尺(2.7m)でセットバックが必要、住宅地としては3級品って処でした。価格は5億、「素人相手に噛ませやがって」と憤慨した小生は仲介人を呼び出した。その人物は後日、I橋産業の巨額手形詐欺事件にも登場するH氏であった。当時、彼は荻窪のK地所の営業担当でフルコミの歩合で稼いでいた。この物件の対応や処分を討論する中、赤坂の豆腐店を売却、代替用地を探している潜在客がいると言うので裏確認に同行した。同時売買のケツ合わせで、転売先の豆腐屋の買付証明確認を条件で、経堂の決済融資を先行実施した。境界確定や古屋解体、整地等の手間は掛かったが、3ヶ月後、7億5千万で売却できた。H氏は業界で言う往復ビンタの手数料、Y田夫人名義のみのお任せで、濡れ手に粟の2億の譲渡益を出し大満足であった。小生もそこそこの恩恵に浴したが・・

この件で気を良くしたY田夫人、都立大前の自宅を売却し、広尾のガーデンヒルズに移り住み、次々に物件購入して転売案件として持ち込む様になった。世田谷・弦巻の100坪、等々力の80坪等、何れも3ヶ月以内の転売3件で5億以上の売却益を上げた。節税や裏金作り、政治団体の活用等も享受・指南した。殆どはこちら主導の仕込み案件で受け皿役だったはずが、素人の過信・・天分が有ると勘違いし、アドバイスや忠告を無視し独断先行・暴走し始めたである。収支はおろか、資金手当ても丸抱え要望となり、拗れると上席者に直談判や泣付き、今で言うモンスター顧客に変貌した。現に女子と小児は養い難しである。当時の直属上司のT課長が何を感じたのか?担当替えを命じられ、幸いお役御免と為った。

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