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「慄き」「蒼褪めた木蔭」
「慄き」
いつも聞こえていたのに
今気付いた
窓場から射す光の声
下からぼんやりと明るく
寂しく寒々と暗く
がしゃんがしゃんと
風に揺すられるシャッターは
知らないふりをして
冷たくなった指先の
辿る美しい詩
寒さではないのです
この震えは
たった今
知らなかった世界と
触れたから
可愛らしい頬の我が子よ
この慄きを
お前はもう知っているのか?
「蒼褪めた木蔭」
木々は知っているのか
やがて枯れることを
それとも唯夢見ているのか
満開の花盛りを
やがて来る
豊満の風に
花びらは踊る
あの日のあなたは
蒼褪めた木蔭で
「ずるい」
といった




