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祈り
生まれたての歌を
謳う喜び
足もとに広がる草原
遥かに青い山並み
湧き上がる音楽は
生きている素直
町並みは石の冷たさでも
建築の情熱は噴水を吹き上げる
階段を登るように
一段ずつ高まっていく
届くのだろう
きっと
あの青と金は幻想ではない
葬列は煌びやかに装う
続くカラスの群れは
死を許している
凍りついていた雫は
天と地の間で
記憶を思い出す
永遠の循環に
静かに
ときに荒々しく
蘇る
水の音楽は
一つとして同じものはなく
いつも生まれたてだ
抑えられないこと
震える指先で指した
屑星から
かそけき光が届いている




