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【詩集】果てしない扉  作者: につき
穏やかな残酷
85/100

猫たち

柔らかくしなやか

滑らかで艶やかで

気まぐれであたたかで

どこかどうしても哀しい


喉を鳴らしてすり寄り

または

爪を立てて膝へ上り


尻尾を真っ直ぐに立てて歩き

振り返り鳴く


お前たちはどうして

そんなにありのままでいて

その哀しみを受け入れているのか


美しい毛並と

軽やかな足並みに

無表情な喜びがある


月の下で恋に鳴き

座敷でだらしなく眠る


屋外では戦士となって

傷を負って帰りつく


姿を消してしまうものもあり

戻らぬものもあり

戻るものもあり


お前たちはどうして

そんなにそのままでいられるのか


わたしも もっと

静かな旋律に染まり

神々の地を感じて

深く深く精神を潜れば

辿り着けるのだろうか


それとも

彼らと同じく 塀の上を歩き

地面を転がり 無駄事を言わず

エサだけを喰い 水だけを飲めば

近づけるのだろうか


結局 不要なものが多すぎて

一番大事なことが分からないのだ


生きることにとって 無駄な言葉は数多く

無駄な心配も多いのだろう


ただひたすらに

今日を思い 食べることを思い

自分を大切にして 必要最小限の仲間だけを守り

楽しみを恥ずかしがらずに楽しむ


それでいいのだと

彼らを見ていると思う

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