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「雀の声」「縛り」
「雀の声」
鳥起きて鳴く
早朝の風
冷たさはぬるまり
梅の薫りは
紅より白が優る
明け染めていく
仄かな空を見れば
雲は淡く夢の漂う
繰り返す雀の声は
ひたすらに春を告げる
「縛り」
文字数に縛られ
言語に縛られ
日常に縛られ
夜は明け
冬は去り
目は冴える
どうにもならない
どうにかしたい
どうにでもなってほしい
枠があってこそ
自由があり
本当がある
それでも届かない文字数
叶わない愚かさ
馬鹿馬鹿しい可笑しみ
結局なにも分かっていないし
なにも出来てはいないし
鳴く鳩ほどの確かさもない




