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【詩集】果てしない扉  作者: につき
深緋 (こきひ)の裏側
74/100

地の湿潤に

天から

沈黙と静寂が落ちてくる


あいだに立つ我らの

姦しさと喧噪を白く覆い

つかの間の決め事をもたらす


一つだけなのだ

それは一つだけの色なのだ

何色でもなく

真っ白に全てを覆う

白だけの色なのだ


許されぬ冷たさ

全てに沁みる柔らかさ


音の全て消され

止めどなく

天のはらはら落ちて


この時だけは

色とりどりの愚かさも

喧々諤々の傲慢も

ひとは白く染まり

街は白く静まり


かつて天を慕っていた

憧れの吹雪く渓谷に

真っ白な雪の塊のようになった

カモシカが

畏れながらつぶやいている


地の底で眠る龍の尻尾が

突き出ている頂上は

つかの間晴れて

遠くにキラキラと海が望める


洞窟で眠る子熊の夢には

雪の中で踊る妖精の

髪の先に揺れる

鈴の音が聞こえている

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