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「真っ白な布」「アラベスク第一番(ドビュッシー)より」「バッヘルベル カノンより」
「真っ白な布」
真っ白なテーブルの上に立つ
真っ白な布の
三角錐の頂点は輝くばかり
やがて必ず崩されて
黙り込む人になるか
犯罪者になるか
詩人になるか
どれになるかは
わからない
「アラベスク第一番より」
波紋は広がり
響いた穏やかな透明
誰もいない霧の中に
静かに月光は揺れる
滅びた白の蘇る時
「バッヘルベル カノンより」
思い出はいつも面影を連れてきて
辛さよりも懐かしさと
沁みてくる年月
遠くからの声に抑えきれない涙
後悔ばかりの夜をどうしても
重ねているというのに
なぜ離れないのだろう




