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【詩集】果てしない扉  作者: につき
琥珀の横顔
63/100

拾いなおすこころ

わたしはだめなやつだ

こんなに暗いことばかり考える

居なくなってしまいたい


と 紙に書いて くしゃくしゃに丸めて

ごみばこに捨てたけれど


すぐに拾いなおして 広げて しわを伸ばして

その辺りに仕舞い込んでしまった


とても捨てられはしなかった

ネガティブであっても

絶望的な思いであっても

胸の中に石のように持っておく


それが忘れないでいるということだろう


大切な一瞬に固定されたままのこころを

ぐるぐる回してやると

綺麗な円を描いて きよきよきよと鳴く


その声は呼ぶ

遠い遠い曇り空の 北風のふいている

枯れ野原の 向こうがわ


川の無い広い都の跡で

転んだわたしの嘘泣きの耳を


逃げられない郷愁の地の

埋められた井戸の中

暗く滴る誰にも見られない雫を




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