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「虫になりたい」「よわさ」「ねこめえ」
「虫になりたい」
こころもからだも強い時ばかりではない
だからといって弱い時ばかりでない
それでも目に見えないこころは
置き去りにされて ジャングルの道を外れて
いつからか野生に還る
濃い緑の末高い草の一番先まで昇って行って
赤青黄いろの鮮やかな甲虫になってしまって
星を目指してぶーんと飛び立った
「よわさ」
強い人々の気配に
眩暈がする
情けなさやよわさを
踏みにじらないでください
転んだひとを見守ってください
声はかけないでください
「ねこめえ」
ねこねこねこ
ねこがいてまた
ねこがいて ねこがいる
それでもいなくなった ねこがいて
ねこがいて ねこがいる
えさをたべるたべる
といれをしていたずらをしておこらえている
しょうじをやぶるのだ
ふとんにおしっこをするのだ
こまったやつらだ
にゃーとなくやつらだ
まーとなくやつらだ
ぎゃーとないてにげていくのだ
ねこめえ




