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生きる色
赤くあれ
真っ赤であれ
成熟したトマトのように
知性を成熟させよ
青くあれ
瑞々しくあれ
真夏の炎天下に輝く胡瓜のように
とげとげしくも爽やかであれ
黒くあれ
艶々と光り輝け
静まりかえる重厚な黒い石のように
己自身を重々しく胸に抱えよ
白くあれ
純白の透明を身に纏え
天空に気高く聳える白き峰のように
その誇りを青空に謳え
信じよ
数限りなき人々の輝きを
暗闇の世界にも失われぬ色を
垂れこめている分厚い雲を割って
日輪の輝きが世を覆う時を
生きる色の素晴らしさを
割れんばかりの拍手に迎えられて




