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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
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金の鍵

かつて

とじられていた

とびら


いま

すこし

ひらき


すこしばかり

こぼれるのは


ひかり

きいろいひかり


どこからくるのか

やさしい

ひかりは


すきまをのぞく

ぼくのめに

まぶしい


とびらのむこうに

ひろがっているのは


ぐんじょうあかきいろしろぴんく

いろとりどりの

はなはなはなと


うえにゆけばゆくほどに

こくなっていく

そらそらそら


くもがうかんでながれていく

だれかのかおのようなちがうようなかたちの

くもくもくも


このとびらを

そっとひきあければ


ひかりはせかいにみちて

ふくかぜのかおりに

すべてのひととどうぶつが

うっとりとしたかおをするだろうう


しかし

かがやかしい装飾のぶあついとびらは

これいじょうはひらかない


ただ

かのうせいとすがたの片りんをみせるだけで


また

すこしずつ

とじはじめている


やがて

すっかりとじてしまえば


そんなせかいのことなんて

だれもかれもわれすれてしまって


ゆびさきにささくれができだして

なんだかめがしょぼしょぼして

いやなせきをしたりして


ささいなお金のことでもめたり

どうでもいい口げんかをしたり

思いどうりにいかないことでいらだったり


なんだかつまらない風に

みんないらいらしてしまって

いやな一日だったと眠りにつくだろう


みんなが

眠ってしまえば

そこに夢が沁みだしてくる


ある人は

草原の光り輝く風が吹いてくる山頂に立っている夢かも知れない

ある人は

風のない蒸し暑い蝉の鳴いている午後の道端の夢かも知れない

ある人は

寒くてひもじくてそれでも待っていた冬の初めの玄関先の夢かも知れない


みんなが眠っているあいだに

とびらのことを考えよう


あのとびらがつぎに開くのは

いつだろう


冬眠しているのうさぎの子の

ひくひくする鼻のさきには

もうその匂いがしている


冬眠しない若い猫の

まどろむぴくぴくとした耳の先には

もうその漏れてくる風の音がきこえている


遊び疲れて寝てしまった

おさなごは

金色の世界の夢をみている


どんな願いもかなえられ

どんな苦しみなく

みんなおだやかに

みんなしあわせに

足りぬものはなく

時は永遠で

逢いたい人にはいつでもあえて

あたたかであり涼しげであり

喜びと感謝と感動の涙しかなく

笑顔はそこここに溢れている


寝むりこける

その小さいてゆびのなかには

めにはみえないけれど

確かに一つの鍵が握られている


崇高な透明な金色に光り輝く

理想の幸せの祈りのこもった

明日への扉の鍵が

しっかりと握りしめられている


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