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賞賛を求めるこころ
同じ大きさの
同じ重さの
揃っているミツバチたちは
よく働いて 頑張って
褒められることはない
一人きりの
たった一匹の
ユニークな女王バチは
ひたすらに卵を産み 産み
守られはするが 褒められはしない
賞賛を求めるこころが
ころころと自転車道を転がっていき
ぼちゃんと小さな小さな ため池に落ちた
ため池の蛙が 落ちたこころを一口舐めて
溜息をついた
はあーぁ
俺も……だったらなあ
ため池の鮒も 一口ぱくと食べて
溜息をついた
はあーぁ
わたしも……だったらなあ
なんだかため池の水が濁ってしまって
少し棲み辛くなってしまった




