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【詩集】果てしない扉  作者: につき
琥珀の横顔
57/100

わたしの好きな猫

沁みてくる詩など待ってはいけない

もっと前向きな言葉を持つべきだ

そうはいいつつ

胸の奥の泡が潰れてしまったときなど

抑えきれない感情にもならない思いは

そんな詩を恋しがってしまう


猫に詩はいらないだろう

犬は待っているかも知れない

小鳥は詩そのものだし

蛇など冬眠してしまっている


それでもわたしを見る猫の目は

冷酷無情でありながらどこか温かく

のどをごーごー鳴らしながら迫って来る


彼女は詩を解さないが詩を纏っている

あの柔毛の手触りは詩情がある

丸みを帯びながら鋭角的で力強く俊敏な動きは

手の届く野生の趣となっている


哀れでないでない猫がいい

馬鹿みたいに夜に暴れて

盛りに鳴き 爪をといで

ばりばりとエサばかり食べる

そんな詩情のかけらもない猫が好きだ

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