52/100
嘘っぱちの哀しみ
穏やかな枯れ野原のままに
柔らかに過ぎることは望ましいけれど
我知らず思い知らされる
確執の粘りに満ちた熱は
猛り狂う旋律のままに
かき乱される眩暈のように
わたしを渦へ放り込む
赤黒い静脈血の流れる川を
ざぶざぶと泳ぎ渡って
辿り着くのは頭を押し潰す
連弾の低音
晴れやかな青空を待ち望みはしないけれども
一筋の誤魔化されない透き通った光を求めて
燃えているのだ
背中の荷がごうごうと火を吹いて
わたしが燃えぬように
失われた応援者が
冷たい雨から雪に変わって
鎮魂の静まりをはらりはらりと
何処までも水に飢えているのだ
海の無いこの国は
己の涙で飢えを忍び
雨乞いをすることでしか
哀しみを癒せなかったのだ
それでも川は流れる
それは透明で高邁で怜悧なのだが
魚は泳ぎ水草はそよぐ
繋がらないものたちは
点と点のままで
慄いている
何時か稲妻にすべてが
明らかにされてしまわないだろうかと
嘘っぱちの哀しみが
真昼間の晴れた道路に
晒されてしまう時がこないだろうかと




