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【詩集】果てしない扉  作者: につき
琥珀の横顔
51/100

灰色の雪

不可避だという

泳ぎ出す感覚をとどめたいという思い


あるいは

逃避かも知れない

確かに固まりすぎているコンクリートからの


いずれにせよ

拍手や賞賛のない営みは

倦むことのない波のように


それそのものが

現象のように

言葉を紡いでいく


内から発するのか

遠くから届くのか

光か闇かも分かりはしないことを


体内で響き渡る予測の気配として

あるいは

橋桁の震えを現わす波紋のように


出来ることしか出来ないままに

止む負えない衝動の発露として


静まりかえった散らかされた庭の真ん中で

雪の気配をまだ残している空を見上げて


遠ざかっていたざわめきが

また肉薄するのを感じている


下世話な慄きに身体の底から怯え

愚かな誇りだけをぎりぎりと噛みしめながら


見渡す限りを覆い尽くすために

灰色の雪が激しく降り出すのを待っている




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