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仄青い息
今日抵抗を感じた
普通に生きることへの幻想への
妄執に
彼の生き方の理想と
わたしの知る生きる現実を隔てる
深い峡谷の底には
呪いの川が流れている
この胸を掻き毟る滅びの血を
一口でも飲むならば
もう引き返せない穴倉の奥へと
誘い込まれてしまうだろう
暗闇になれた種族である
われわれと違うから
どうなるか分からない
それでも
それが本当の生きる真実であって
光の当たる野原なんて
鳥にくれてやればいいものだ
夜の中でだけ感じる息は
ぼうっと仄青くて
死者の指先のように色がなく
生きものでない騒めきに満ちている
このひと触りは
心臓を止めかねないが
止まった心臓なら
また動き出すかもしれない




