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【詩集】果てしない扉  作者: につき
琥珀の横顔
46/100

優しく騙す声

見失ったそれを取り戻すため

かき集めたありふれていたことは

色とりどりの落ち葉のように

ところどころ穴が開いていても

思いがけないほどに鮮やかに発色していた


欠けてしまったそれを埋めるため

拾い集めた遠ざかることは

池の面の薄い氷のように

どんぐりや落ち葉を留めて

柔らかい後ずさりの声がまだ聞こえていた


紙芝居の中にしかいないそれを見つけるため

追いかけていたころのわたしの足は

どんなに立ち尽くしても疲れないほどに

樫の木の棒のように強くなっていて

我知らず声も大きく自信に満ちていた


止まらない挨拶の夕暮を見送るため

俯くことしかできないわたしの耳は

囁きばかり聞きたかったのに

街の声は怒鳴り散らしていて

優しい耳触りのいい声は騙す声ばかり




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