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雨
ふる
おちる
ふっている
雫…………
…………雫
雫…………
…………雫
てんより
つづく
ぎんのいと
しとしと
と
やまぬこと
いつからか
てんじょうを浸して
ぼたり
と
わたしへ
と
沁みてくる
水のこと
いつもそうであるような
きがしていること
いずれは
やみ
いずれは
また
はじまること
この湿りけのなかでしか
わからぬこと
同情のない液体は
見放された液体は
ただ落ちて濡らしているだけで
そうやって
今夜も
無視されている
陰気な音を繰り返し
屋根を叩き
水たまりをつくり
足跡を残す
足跡は
山の方へ
続いていく
跡をついていくのは
嫌な声をして鳴く
痩せた野良猫だけだ