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【詩集】果てしない扉  作者: につき
琥珀の横顔
38/100

生きている

叶わない夢がないなどという言葉は

俺たちが吐いているのだと

悪夢の中でヤギの目をした悪魔がいっていた


いずれはこっちへ出てきて

いや

もうすでに出てきていて

勝手気ままに

醒めたままで見る悪夢を

振りまいている


聴こえるだろう

夢を叶えるためにはどんな犠牲も払いなさい

とか

夢の大きさがその人の大きさだ

とか

夢が死ぬときその人は生きていると言えるのか

とか


絶望という救いから遠ざけようと

あいつは操るのだ


諦めの果てにある地平から昇る光を隠すために

胸潰れて絶望に地に伏せてそれでも残る息遣いを気付かせないように


薄っぺらい書き割りの背景で誤魔化しているのだ

姦しい空々しいセリフで辺りを覆い尽くしているのだ


涙の枯れた乾いた目に映るのは

決して暖かな上っ面でなくて

明日の分からぬ者同士のひとときの目配せ


癒えない傷のままで日常に戻るものたちに与えられるのは

決して安穏の日々ではなくて

崖っぷちからの風に煽られるような高揚と背の空虚


下がることを許されない立場の成りたくなかった戦士は

自然体で命を懸けている


そうして

毎日の営みの中に

静かな祈りをただ繰り返し


いつか己もその中に溶けてしまいたいと

通り抜けていく面影の一つ一つに

声にならない陳謝を捧げながら


とつとつと

または思いがけないほどの激しさで

その日を生きている




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