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白々とした思惑
15.1.23 推敲 (三連と四連をひとつに。)
緑色に浮かび上がっている文字を見ていると
その前を女性が歩いて行った
その程度でいいのだ
目の端によぎる人影でいい
直視すれば
交換せざるを得ない
わたしと
だれかの
思わぬ発露するこころの欠片
見えてしまう生活の影や
何か華やかだったり
憂鬱のような思い
人々は思い思いに思い
速く歩き
前を見ている
目に見えないはずの
彼らとわたしの思惑が浮かび出て
地下の駅の天井に溜まっている
ちっとも幻想的でなく
かといって現実的すぎない
一日の途中のゆらめきが
蛍光灯の光に
白々と輝いている