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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
36/100

虚しい言葉

巧な

あるいはいい

または爽やかな

映画や番組や動画は

印象はくっきりとしているだけに

どこかぼんやりとしていて


狙いを絞って切り取られた

または効果を狙った

写真の

ぐさりとくる

あるいはじんとくる

のとはまた違って


獣たちがテリトリーに

己の匂いをつけるように

音楽には込められた薫りがあって


出会ってしまった感傷の曲は

わたしのこころを

引っ掴み

または押し出してしまう

あるいはその輪郭をぼやかして

幻想の直截に染み入ってしまって


わたしは音楽を求めて

薫りを記憶してしまって


馥郁とした音の

流れて消えた後に残された

遺産を

わたしは

自分勝手に

受け継ごうとして


接近しようとして

遂に

接触を試みて


迫れば迫るほどに道に迷って

図らずも

巨大な六角の氷の柱に氷漬けになっている

姿も曖昧な己自身に出会ってしまって


止むに止まれず

またその周りを

ぐるぐると歩き回りながら

虚しい言葉を吐き続けている




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