表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
35/100

アライグマとカワウソ

完全に与えられなかった愛情の

溜まり溜まって

溢れそうになっている

堰のそばには


アライグマの親子の巣があって

捕まえてきた鳥の

頭の骨ごと噛み砕く音が

森に響いている


やっぱりだめだったり切れてしまった関係の

折れ砕けた朽ち木のように

水面にところどころに顔を出している

湖には


カワウソの親子が棲んでいて

透明な水に潜って

思うようにウナギを捕って

そいつを頭から噛んで食べている


堰と湖に

てんてんと

雪がふって来た


つぎつぎに落ちる白

尽きない灰色の空


アライグマたちと

カワウソたちは

寒い寒いといいながら

どこかへいってもしまえずに


ぶるぶると雪を払い

ただじっと陰に隠れたまま


子どもに

もうすぐやみますよ

いいこ

いいこ


そんなことをいいきかせている




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ