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「持たざる身体」「あなたとわたしは似ているか」
「持たざる身体」
持たざる者に詩は必然となり
捨てられぬことが言葉となるか
あるいはもっと崇高な
深き淵から湧き出てくる着想か
どれにしても
止むに止まれぬ己が生じて
悼み続けるこころは
慟哭の暗闇のトンネルを行くように
先は暗く何も見えないのに
己の身体と満ちる闇だけを感じているのだ
「あなたとわたしは似ているか」
ジャーマンシェパードとジャーマンポテトは似ている
土臭さと実直さが似ている
うなぎとうどんは似ている
ぬめぬめくねくねとささくれないところが似ている
雲雀とトウモロコシは似ている
結局地面からは離れられないところが似ている
それでは
あなたとわたしは似ているか
わたしの悼み続けるように
あなたは叫びを忘れていないか
わたしの諦めきれないわたしのように
あなたはあなたを追いかけているか
あなたの灰とわたしの灰は
きっと混ざり合うことがないだろうけれど
虚空にあげたわたしの声を
あなたは今聞いているから
あなたさえ承知ならば
わたしとあなたの交差する点を
今ここに作ってしまおう




